フジクラ DC向けSWR/WTC拡充

 フジクラは18日、光ファイバケーブル「SWR/WTC」のラインナップに、世界最多心となる1万3千824心の品種を追加したと発表した。すでに、関連成端部材とともに国外のハイパースケールデータセンターに納入され、布設を終えているという。

 SWR/WTCは、多心一括融着接続が可能な12心間欠固定型光ファイバリボン「SWR(スパイダー・ウェブ・リボン)」を、フジクラ独自の細径高密度型光ファイバケーブル「WTC(ラッピング・チューブ・ケーブル)」に実装したノンメタリック仕様の光ファイバケーブル。

 従来は、6千912心のSWRを実装したWTCが最多心だったが、新製品では外径を40mm以下に抑えたうえで、従来の2倍の1万3千824心を実現した。

 クラウドサービスや生成AIが急速に普及し、データセンター需要が拡大する中、光ファイバケーブルを地下に布設するには埋設管路の数量や内径の制限もあり、より細径な光ファイバケーブルが求められている。今回の新製品では、このような需要に応えた。

 また、新製品の発売に合わせて、専用の光ファイバケーブル分岐キットも製品化した。この分岐キットは、SWR技術を応用した「SWT(スパイダーウェブチューブ)」を採用しており、複数のSWRを容易にユニット化できる。

 融着架は、内部のトレーを取り出して融着作業ができるマルチプレイ光ファイバ融着機能を備えている。トレーを取り出せない従来の融着架では、一人の作業者が超多心光ファイバケーブルの光ファイバ接続・分岐作業を行わなければならなかったのに対し、同社の融着架では、同時に複数人で融着作業を行える。

 融着架にもSWTを採用しており、複数人で作業する際に必要な光ファイバ余長をコンパクトに収納できることから、超高密度かつ省スペース配線を実現すると同時に、光工事の作業時間を短縮できる。

 フジクラは、今後も、既存インフラ網を効率的に活用できる細径高密度のSWR/WTCの供給により、高度な通信ネットワークの構築に寄与していくとしている。