2025国際ロボット展 ロボット関連の新技術集結 出展数は前回比2.9%増、電線メーカーも多数出展

 2年に一度の世界最大規模のロボット専門展示会「2025国際ロボット展(iREX2025)」(主催:日本ロボット工業会・日刊工業新聞社)が、12月3~6日の4日間、東京ビッグサイトで開催された。来場者は4日間合計で156,110人(前回開催比5.4%増)。出展数は637社・団体(同2.9%増)といずれも増加した。同展示会では、ロボットメーカーはもちろん、タツタ電線や大電、泉州電業などの電線関連企業が出展していた。

ロボットケーブル 細径化がトレンドか

 多くの電線メーカーで共通して紹介されていたのが細径化を実現したケーブルだ。ロボットにおいて、ソフト面ではAIやティーチングレスシステムの活用が目覚ましいが、ハード面ではトレンドがあまり変わっておらず、引き続き小型化対応へのニーズが高い。そのため、各電線メーカーも小型化に合わせて、細径で扱いやすい製品をラインナップしていた。なお、細径化するにあたり各社さまざまなアプローチをしており、各社の特色が表れていた。

 イグスは、独自の編み方を施したエナジーチェーン専用ケーブル「チェーンフレックス」を出展していた。同シリーズでは、まず細線3本を編み、さらにその細線3本の束を3つ編んでいくことで細径化を実現している。例えば、動力ケーブル600V 2.0(1.5)㎟×4Cで比較すると、他社製品は2.0㎟×4Cで仕上がり外径が13.5mmであるのに対して、チェーンフレックスの動力ケーブル(CF30.15.04)は1.5㎟×4Cで仕上がり外径が8.5mmとなっている。また重量も58.4%減の106㎏/㎞とかなり軽い。同社の担当者は「もともとケーブルを長持ちさせるための技術だったが、結果的に細いケーブルを作ることができた。現在チェーンフレックスは採用が増えている」と語った。

 また、チェーンフレックスはシールドも特徴的だ。他社製のケーブルが編組密度約70%であるのに対して、チェーンフレックスの編組密度は約90%。横編み構造となっていることから、屈曲可動において長寿命を実現しており、特に低周波域で大きな効果を発揮する。

 泉州電業のブースで出展していた太陽ケーブルテックは、開発中の「SLIMOVE」のパネルとサンプルを展示していた。同製品は、従来品より平均で15%、最大で約20%の細径化を実現しており、UL758規格に適合する。担当者によれば来年の上市を目指しているという。

 同社では素線を0.08㎜にまで加工することができ、これが細径化の秘訣となっている。また、非常に細い素線を撚ることで柔軟性にも富んでおり、U字折り返し試験では5000万回以上をクリアしている。細径化によってコストパフォーマンスも優れている。

 大電は、19年ごろから発売している「RMDHシリーズ」を出展した。同製品は従来品(RMFEVシリーズ)と比べ、使用外径が最大で30%細径化されている。その秘訣は絶縁とシースにある。絶縁に特殊エラストマー、シースに薄肉耐摩耗PVCを使用することで、心数や導体サイズが同じであるにもかかわらず細径化を実現し、省スペースで配線することが可能となった。同製品では、カタログ製品のほか、信号と電源を組み合わせるといったカスタム設計にも対応している。

 同社で扱っているロボットケーブル全体では、国内・海外いずれもカスタム製品が8割を占めており、ニーズに合わせた設計を得意としている。

 また、同社は極細ケーブル「RMAVⅡ」を出展した。これはロボットハンド内部で使用することを想定したケーブルで、AWG36に対応している。耐久性にも優れており、左右屈曲試験では、曲げR=15㎜で、2000万回稼働しても断線が見られなかったという。今後、同製品の拡販に努めていくと、担当者は語った。

電線新聞 4417号掲載