古河電工グループのライテラジャパンと、電気通信大学、慶應義塾大学の研究グループは7月3日、空孔コア光ファイバを用いた波長多重PONシステムで、光ファイバへの入力パワーが最大10Wを超える大電力光信号伝送に成功したと発表した。10Wを超える実際の通信用光信号を用いて、高品質な大電力伝送を実現したのは世界初という。
同実証は、総務省が委託する「グリーン社会に資する先端光伝送技術の研究開発」の一環で、ライテラが開発した空孔コア光ファイバを用いた。空孔コア光ファイバは、従来のシリカコア光ファイバと比べ、非線形効果が極めて小さいことが知られている。
5Gに代表される無線システムでは、無線信号の高周波数化に伴い、モバイル通信やIoT向けの多数の無線基地局が必要となる。このため、加入者系光ネットワークとして利用されているPONシステムへの適用が検討されている。波長分割多重伝送を組み合わせることで大容量通信も期待されている。
今回の研究では、PONシステムの中央局(OLT)とスプリッタ間に空孔コア光ファイバを導入。5Gの標準規格であるキャリア周波数28GHzの5GNR信号で変調された4つの波長の通信用光信号を多重伝送し、従来のシリカコア光ファイバで発生するさまざまな非線形効果を大幅に抑制した。PONシステムで4096以上の信号に分岐でき、中央局の設備投資を大幅に低コスト化できる可能性を示した。
今後はさらに広い波長域で多波長化を進め、より多くの無線基地局との通信が可能なモバイル通信とIoT向けPONシステムの構築を実現していく予定。









