まずはワゴジャパンについて
会場で展示されていた新製品のご紹介の前に、ワゴジャパンという会社についてお話したいと思います。
業界では「ワゴ」という言葉が差し込みコネクタの代名詞として使われるほど一般的になっています。それほど私たちの業界に浸透しているメーカーワゴジャパン様、いったいどんな会社なのでしょう?
1951年、ドイツのベルリンでトランプゲームに興じていた義理の兄弟がいました。この二人がスプリングクランプ技術の特許の話を耳にし、その特許を買収したことからワゴの歴史が始まります。
「WAGO」という一風変わった名前は、スプリング式端子台の特許権者の二人の人物Wagner氏と、Olbricht氏の頭文字の「WAG」と「O」から名付けられたのだそうです。
当時、結線方式の主流はネジを締めて繋ぐ「ネジ式」でした。ひとつひとつ道具を使ってネジで締めていく作業は、かなりの労力を使うだけでなく、個人の技術差が出てしまうという難点がありました。
これからの時代は、時間も手間もかからない「スプリング式結線方式」に変わっていくに違いない…二人はそう確信していました。
「スプリングを使って電線を結線する」という発想を実現すべく、新製品の開発に力を注ぎます。試行錯誤を重ねた結果、業界初のスプリング式接続技術を採用した端子台を発表しました。これが画期的な商品として業界の注目を浴び、今日のWAGOの礎となったのです。
その後、1966年に端子台のハウジングとして採用した新素材ポリアミドは、現在も端子台やコネクタ用の素材として幅広く使用されています。
1977年、CAGE CLAMPを採用したレールマウント端子台の開発に成功しました。この製品が鉄道業界をはじめは幅広い産業界に認知され、WAGOはスプリング式結線のパイオニアとしての地位を築き急成長していきます。
ネジからスプリングへ移行してもらうため、世界各地へセールスマンを派遣しましたが、業界にはなかなか受け入れてもらえませんでした。それでも地道にスプリングの良さを訴えつづけ、少しずつ認知してもらえるようになりました。
1990年にワゴジャパン株式会社を設立するなど、今では、世界に30のグループ会社、58の販売代理店、10ヶ所の生産拠点を持ち、従業員の数7,500名以上。業界の一角を担う企業となっています。
結線・配線作業は電材業界において、改善がされにくい分野だといわれています。しかしWAGOは、その中においても、さらなる省力化・効率化を追求した商品を意欲的に発表し続けています。