神戸・垂水区のこども食堂にLED照明2基を設置
兵庫地区「工・製・販」座談会での合意を受けて立ち上げ
兵庫県電気工事工業組合(向山和義理事長)ならびに兵庫県電設資材卸業協同組合(小林義昭理事長)、主要メーカーはこのほど、兵庫県内にある「こども食堂」を応援するプロジェクトをスタートさせた。これは、7月に開催された「兵庫地区 工・製・販座談会」において「工・製・販」三者の合意が得られたことを受けて起ち上げられたものである。
こども食堂は、子どもやその親、あるいは地域の住民に対して、無料またはリーズナブルな価格で栄養のある食事や温かな団らんを提供する場として、2012年に東京で始まったとされている。
ここ数年、メディアで大きく報じられるようになったことで動きが活発化している。
現在、全国的に子どもの貧困が問題となっているが、約7人に1人の割合で子どもが貧困に直面しているというデータもある。
孤食の解決、子どもと大人たちとのつながりや地域のコミュニティの連携の有効な手段としても注目されている。
兵庫県では現在、100カ所前後のこども食堂があるとされており、県や各市町村でも助成事業を行っている。
今回の応援プロジェクトは、6月に兵電材の小林理事長が県の関係者と面会した折に、「LED照明などでこども食堂を温かい空間にできないか」と懇願されたことがきっかけとなった。小林理事長は、翌7月の工・製・販座談会での合意を目指すことを即座に決断した。
兵電工の向山理事長も「電気工事業界としても積極的に社会貢献に取り組むべき」と呼応し、メーカーの賛同も得てプロジェクトをスタートさせることとなった。
兵庫県中小企業団体中央会のバックアップも得て、8月末には応援対象となる施設も決定した。
その第1弾として今月10日、神戸市垂水区にある「子ども食堂 多聞」にLED照明2基を設置した。
2基のLED照明はあっという間に取り付けられ、涼しげな光や温かみのある光を照らした。
LED照明があっという間に取り付けられる
後日、こども食堂を運営する多聞福音協会の吉川潤牧師に話を聞くと「スタッフからは、蛍光灯自体はまだ使えるのだからわざわざ替えなくてもいいのではという声もあったが、実際にLED照明に取り替えたら部屋の雰囲気も明るくなり、子どもたちや女性スタッフも大変喜んでいる。
とくに暖色系のあかりは、いままで以上に食事を楽しくさせる効果があるように感じている」と語った。
プロジェクト発足に合わせて、ステッカーも作成。
子ども食堂ステッカー
右上には、兵庫県の県政150周年記念のロゴマークも挿入されており、県も注力していることがうかがえる。
今後、1年程度にわたり、10カ所程度のこども食堂を支援する予定で、来年5月の兵電材通常総会で成果報告を行うことになっている。
食堂関係者も笑顔を見せる(中央が吉川牧師)
兵庫県の「工・製・販」は、社会貢献活動として2015年春から2年間、スマート節電機器の設置を啓蒙する「スマートエナジーソリューションキャンペーン(SESC)」を実施した。今回のこども食堂応援プロジェクトは、新たな社会貢献活動として今後、全国各地でも注目されるものとみている。