【国交省】令和元年度建設工事受注動態統計調査

受注高 82兆4209億円(前年度比5.2%減) 元請受注高は9.5%の減少

国土交通省はこのほど、令和元年度の建設工事受注動態統計調査報告を公表した。
それによると、受注高は前年度比5.2%の減少、元請受注高は同9.5%の減少、下請受注高は同4.4%の増加となり、元請受注高の発注者別では公共機関からが同6.8%の増加、民間等からが同15.1%の減少となった。

 ■受注高
受注高は前年度比5.2%減の82兆4209億円となった。そのうち、元請受注高は同9.5%減の54兆5400億円で、下請受注高は同4.4%増の27兆8809億円となった。
業種別では、総合工事業が前年度比7.8%減の49兆5733億円、職別工事業が同6.0%増の11兆3255億円、設備工事業が同4.3%減の21兆5222億円となった。

 ■元請受注高
元請受注高は、前年度比9.5%減の54兆5400億円となった。
発注者別では、公共機関からは前年度比6.8%増の16兆6559億円で、民間等からは同15.1%減の37兆8841億円となった。
工事種類別では、土木工事が前年度比6.3%増の16兆5790億円、建築工事(建築設備工事含む)が同13.8%減の32兆9216億円、機械装置等工事が同21.5%減の5兆394億円となった。
業種別では、総合工事業が前年度比11.0%減の39兆9018億円、職別工事業が同19.3%増の3兆1343億円、設備工事業が同9.8%減の11兆5040億円となった。

 ■公共機関からの受注工事(1件500万円以上の工事)
受注工事額は、前年度比7.7%増の15兆9670億円となった。

①発注機関別

●(1)国の機関
受注工事額は、前年度比6.5%増の5兆4834億円となった。
国は前年度比6.7%増の2兆9305億円、独立行政法人は同1.7%減の6352億円、政府関連企業等は同9.1%増の1兆9177億円となった。

●(2)地方の機関
受注工事額は、前年度比8.3%増の10兆4836億円となった。
都道府県は前年度比9.4%増の4兆1351億円、市区町村は同7.1%増の4兆7625億円、地方公営企業は同14.1%増の1兆1989億円、その他は同4.3%減の3871億円となった。

②工事分類別

受注工事額が多いのは道路工事(4兆7084億円)、教育・病院(2兆1614億円)、治山・治水(1兆8983億円)だった。

③発注機関別・工事分類別
受注工事額の多いのは市区町村の教育・病院(1兆3630億円)、都道府県の道路工事(1兆2887億円)、政府関連企業等の道路工事(1兆2664億円)だった。

■民間等からの受注工事
①建築工事・建築設備工事(1件5億円以上の工事)
受注工事額は、前年度比16.1%減の9兆7509億円となった。

●(1)発注者別
農林漁業は前年度比28.5%減の411億円、鉱業・採石業・砂利採取業・建設業は同132.2%増の3400億円、製造業は同9.7%減の1兆9020億円、電気・ガス・熱供給・水道業は同51.3%増の2679億円、運輸業・郵便業は同3.5%減の6884億円、情報通信業は同12.2%増の2471億円、卸売業・小売業は同28.0%減の3718億円、金融業・保険業は同31.0%減の2037億円、不動産業は同4.1%減の3兆6197億円、サービス業は同42.9%減の1兆9257億円、その他は同41・2%減の1437億円となった。

②工事種類別
受注工事額が多いのは住宅(2兆4705億円)、工場・発電所(1兆6055億円)、事務所(1兆5477億円)だった。
③発注者別・工事種類別
受注工事額が多いのは不動産業の住宅(2兆1089億円)、製造業の工場・発電所(1兆2406億円)、不動産業の倉庫・流通施設(4844億円)だった。
②土木工事及び機械装置等工事(1件500万円以上の工事)
受注工事額は、前年度比7・9%減の6兆9746億円となった。
●(1)発注者別
農林漁業は前年度比22.1%減の437億円、鉱業・採石業・砂利採取業・建設業は同4.3%増の1829億円、製造業は同19.4%減の1兆8753億円、電気・ガス・熱供給・水道業は同5.3%減の1兆8802億円、運輸業・郵便業は同1.9%増の1兆4757億円、情報通信業は同24.7%増の5452億円、卸売業・小売業は同4.6%減の1253億円、金融業・保険業は同184.2%増の545億円、不動産業は同44.0%減の1886億円、サービス業は同0.8%増の5031億円、その他は同36.3%減の1002億円となった。

②工事種類別
受注工事額が多いのは機械装置等工事(2兆7099億円)、鉄道工事(1兆2241億円)、発電用土木工事(1兆31億円)だった。
③発注者別・工事種類別
受注工事額が多いのは製造業の機械装置等工事(1兆4687億円)、運輸業・郵便業の鉄道工事(1兆2197億円)、電気・ガス・熱供給・水道業の発電用土木工事(8179億円)だった。

電材流通新聞2020年5月21日号掲載