経済産業省はこのほど、2018年1~3月期の地域経済産業調査の結果をまとめた。それによると、全体の景況判断は前期から据え置き、「緩やかに改善している」とした。地域別の景況判断は関東、中国、四国で上方修正し、その他の地域は据え置いた。調査期間は3月。対象企業は770社。
全体総括として、生産は、はん用・生産用・業務用機械が半導体関連で好調、電子部品・デバイスが自動車向け分野で好調など堅調に推移しているとした。設備投資は、生産性向上や省力化のための投資で積極的な動きとなっている。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移している。個人消費は、高額商品が好調に推移し、インバウンド消費も引き続き好調。
各地域の概要は次のとおり。
▽北海道=「持ち直している」生産は、ビールの増産などから持ち直しの動きがみられるものの、包装用紙の減産など一部に弱い動きがみられる。個人消費は免税売り上げや飲食料品が堅調で持ち直している。観光は外国人観光客の増加から引き続き好調。
▽東北=「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している」生産は、車載電子部品、半導体関連が高水準で持ち直しの動きがみられる。雇用情勢は改善している。個人消費は、積雪などの影響もあって足踏み状態。
▽関東=「改善している」生産は、一般機械などが好調なことから持ち直しの動きがみられる。雇用情勢は、着実に改善している。個人消費は、百貨店で中間層の消費マインドの回復感が続いているなど持ち直しの動きがみられる。
▽東海=「改善している」生産は、輸送機械、電子部品・デバイスが緩やかに増加している。個人消費は、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが堅調であることから緩やかに持ち直している。
▽北陸=「改善している」生産は、電子部品・デバイス、化学を中心に高水準で推移している。個人消費は、大雪の影響から来客数が減少したものの緩やかに持ち直している。
▽近畿=「緩やかに改善している」生産は、はん用・生産用・業務用機械、電気機械を中心に横ばいながら高水準で推移している。個人消費は、免税品や富裕層による高額品購入の動きが好調なことや高機能・高単価の白物家電などが好調なことから緩やかに改善している。
▽中国=「持ち直している」生産は、自動車など主要業種が堅調に推移し全体として横ばい。個人消費は、高機能・高付加価値商品や季節商材の好調により持ち直しの動きとなっている。
▽四国=「緩やかに持ち直している」生産は、パルプ・紙・紙加工品、はん用・生産用機械などが需要堅調で緩やかな持ち直しの動きがみられる。個人消費は、飲食料品で総菜や冷凍食品が堅調に推移し、持ち直しの動きとなっている。
▽九州=「緩やかに改善している」生産は、一服感がみられるものの高い水準を維持している。設備投資は、増産に向けた投資及び新規出店への投資がみられる。個人消費は、衣料品などの動きは鈍かったものの、高額品及び化粧品などの動きは堅調に推移している。
▽沖縄=「改善が続いている」管内の観光客数の増加、雇用環境の改善などを背景に個人消費は改善が続いている。企業の設備投資も持ち直している。
商経管材新聞2018年5月16日号掲載