「28年度の銅電線需要は63.7万㌧」森平英也会長語る

 電線関連6団体(日本電線工業会、電線工業経営者連盟、東日本電線工業協同組合、東日本電線工業健康保険組合、電線総合技術センター、関東電線販売業協同組合)共催の新年賀詞交歓会が7日、都市センターホテル(東京都千代田区)で開催され、業界関係者や来賓ら合わせて360人が出席した。

 冒頭の挨拶で、日本電線工業会・森平英也会長(古河電工社長)が登壇し、「24年度の銅電線需要は前年度比0.9%増の62万5千㌧の見通しだ。電気機械と自動車がマイナスで、需要のほぼ半分を占める建設電販は人手不足による工事延期の影響を受けて横ばいとなる一方、通信・電力部門は設備更新需要により上向いた。輸出は前期比プラス33%で、超高圧ケーブルが好調だ。光ファイバは5G需要の一服感から、0.6%増の596万kmCとなっている。

 中期需要予測は、銅電線は23年度からの平均伸び率を0.6%とし、28年度の需要は63万7千㌧と見込んでいる。電力では再エネ関連や直流連系線の需要増、自動車はCASEの領域で技術革新が進むこと、建設電販は地方創生に向けた各地方都市の大型プロジェクトの他、リニア中央新幹線や整備新幹線の延伸などがあり、今後の需要拡大に期待している」と語った。

 さらに、重点活動テーマの中で注力している中堅・中小企業の経営基盤強化支援について、「会員各社への訪問機会を増やし、一昨年から現在までに延べ100社以上と面談し、有意義な意見を多数いただいた。昨年作成した業界初の高校生向けパンフレットの活用を通じた採用活動の支援、電線総合技術センターとの協業による新人・中堅社員の教育支援など、特に人材確保に関連する『中堅・中小企業の経営基盤強化』に向けた支援を精力的に進めており、追加政策も検討している」と述べた。

 続いて、来賓として経済産業省製造産業局の伊吹英明局長が挨拶した後、東日本電線工業協同組合の石橋栄子理事長(通信興業社長)が乾杯の音頭をとり、歓談に移った。

 その後、関東電線販売業協同組合の神山欣也理事長(海光電業社長)が中締めの挨拶を行い、盛況のうちに閉幕した。

電線新聞 4380号掲載