古河電工は19日、パナソニックオペレーショナルエクセレンス(PEX社)と共同で、パナソニック製品向けの銅合金材の原料の一部を、銅地金から廃家電由来のリサイクル銅原料に置き換える循環スキームを確立し、6月から運用すると発表した。このスキームにより、銅地金を100%用いた場合に比べ、CO₂を8%削減できる。
同スキームでは、リサイクル工場で解体・選別された銅リサイクル原料を、パナソニックETソリューションズ社が分離選別工程の精緻により不純物を少なく高品位に分別し、古河電工と連携して成分分析値のクロスチェックを実施する。
これによりPEX社は、銅リサイクル原料を銅精錬メーカーに戻すことなく古河電工に直接供給し、古河電工は銅地金と一部置き換えても諸特性が安定する製造条件を新たに確立し、配線器具用銅合金NFC-11の製造におけるCO₂発生量を低減することに成功した。
NFC-11を製造する古河電工の日光伸銅工場では、同グループ所有の水力発電によるクリーンエネルギーを従来から100%使用し、環境負荷の少ない銅製品を提供している。NFC-11をパナソニック製品に使用することで「銅の資源循環」と「CO₂排出量の削減」を同時に実現できる。
今後は同スキームで培った銅リサイクル原料の活用ノウハウを、その他のパナソニック製品にも水平展開することで、さらなる環境負荷軽減に貢献していく。
国内で家電リサイクル法に基づき廃棄される家電4製品(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機)は、リサイクル工場で個々の資源に分別後、循環されている。
そのうち銅資源(銅リサイクル原料)については、その多くが銅精錬メーカーで銅地金に再生されるかたちで循環されているが、その精錬過程において多くのエネルギーが必要となりCO₂も排出されている。