「銅の日イベント」に1千人が来場

 8月2日「銅の日」に、科学技術館(東京都千代田区)で、日本銅センター、日本鉱業協会、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の3団体が「銅の日イベント」を開催した。

 同イベントは小中学生を対象に、銅についての展示説明や実験などを行うもの。銅産業分野の将来の人材確保に貢献することや、子どもたちに銅の魅力を伝えてSTEM教育の必要性をあらためて考えることが目的だ。昨年に続き2回目の開催となるが、前回は参加者から好評で、業界内で話題となった。当日は夏休み期間で、およそ1千人が会場に訪れた。

 各団体のブースでは銅の知識を体験しながら、学べる展示が行われた。

 日本銅センターのブースでは、銅鉱石のサンプルや銅製品に触れながら銅を作るためのプロセスと銅リサイクルについて学べるコーナーや、銅の特性について調べられるコーナーが設けられた。また、銅スプーンで氷を切る体験も実施しており、参加者が銅の熱伝導率の高さを実感できるコーナーとなっていた。

 日本伸銅協会のブースでは、古河電工が提供する銅箔で折り紙ができる体験を実施。昨年開催時に銅に触れて学ぶ参加者が多かったことから、今年は銅箔の折り紙体験という形になったという。

 このほか、日本鉱業協会による、ルーペで鉱石を観察できる体験や、JOGMECによる銅鉱石の採掘について学べる展示などがあった。

 昨年と異なる試みとなったのが、工作室で開催されたワークショップだ。ワークショップはJOGMECによる資源探査についての講話、日本鉱業協会と東京大学による電磁誘導実験、日本銅センターと望月板金による銅を使った工作教室の3種類。いずれのワークショップも盛況で、特に電磁誘導実験では銅に関する鋭い知識を披露する子どもの姿がみられた。

 同イベントについて、日本銅センターの担当者は「今年度は現物を見せながら銅鉱石から製品・リサイクルの流れを紹介するほか、銅を使った実験や工作など銅に関するさまざまな学びや体験ができる場を用意した。未就学児から大人まで参加できるイベントなので、皆さんに銅の魅力を伝えたい」と語った。

電線新聞 4403号掲載