前回は展示されていた製品を紹介しました。
今回は同時に開催されていた、内覧会のテーマに沿ったセミナーのご紹介です。
テーマ
①防爆の基礎知識と工場電気設備防爆指針“国際整合技術指針 Ex2018”について
②水銀汚染防止法に伴う水銀ランプの勉強会
私が訪れた際に開催されていた「水銀汚染防止法に伴う水銀ランプの勉強会」の内容を少しだけご紹介します。
水銀ランプの歴史と技術革新
水銀ランプは1964年の東京オリンピックや高度経済成長期を支えてきましたが、2021年を境にその役目を終えようとしています。
初期の水銀ランプは1Wあたり約55lm/Wという明るさでしたが、それがメタルハライドランプに変わり約88lm/Wになり、さらに、セラミックメタルハライドランプに変わり約111lm/Wになるなど技術革新によって進化を遂げてきました。
そして、LEDランプの登場によって大きく効率があがり、現在のLEDランプは約168lm/Wもの明るさを出すことが可能です。数年後には、約200lm/Wほどになると考えられています。電気代も水銀ランプに比べ、およそ1/3から1/4になりました。
寿命は水銀ランプ、メタルハライドランプはおよそ12,000時間。セラミックメタルハライドランプに関してはおよそ倍の24,000時間、LEDは大幅に向上し60,000時間となっています。
LEDランプの出荷率は2011年あたりから年を追うごとに伸びていっており、2020年では出荷ベースで98%になる見込みだそうです。
水銀ランプのこれから(水銀汚染防止法に関して)
2013年10月に熊本市及び水俣市で「水銀に関する水俣条約の外交会議及びその準備会合」が開催され、60ヶ国以上の閣僚級を含む約140ヶ国・地域の政府関係者の他、国際機関・NGO等、1000人以上が出席し、「水銀に関する水俣条約」が全会一致で採択され、92ヶ国(含むEU)が条約への署名を行ない、2017年8月16日に発効された「水銀に関する水俣条約」に基づき、水銀ランプは2021年以降「製造・輸出・輸入」をすることができなくなります。ただし、2021年以降も既に製造済みのモノや既設のモノ、ストックとして持っているモノに関しては、販売、使用が可能となっています。
水銀使用物の処理について
使用済み水銀ランプは、2017年に改正されました「廃棄物処理法」に基づき、適切な処理を行なわなければなりません。処理する場合は、集収・搬出を行なう委託業者に依頼しましょう。
2017年に法が改正されたことによって、廃棄物の保管方法や保管場所の掲示、産廃処理業者との委託契約が強化されました。委託契約書に水銀が使用されている製品を明記し、産廃処理業者に渡すマニフェストに「廃水銀等」を記載するとともに、その数量を記載する必要があります。廃棄物保管場所にも、水銀の使用されている製品の廃棄物であることをしっかりと分かるように明記し、帳簿にも明記しましょう。保管場所は、他のモノと混合する恐れがないように仕切りを設けるなどの対策も必要です。高温に晒さないなど、腐食防止のために必要な措置をとりましょう。また、委託業者が、水銀を扱う許可を国から得ているかどうかを確認することが大切です。
詳しくは環境省のホームページをご覧ください。
→https://www.env.go.jp/recycle/waste/mercury-disposal/
防爆照明や高天井用照明など気になる製品があった方は、是非一度岩崎電気株式会社様にご相談してみてはいかがでしょうか?