電線工業会アンケート

特殊配送で「問題」4割強 運送費の増額要求8割


電線工業会は、「第5回電線業界の取引適正化ガイドラインフォローアップアンケート」(回答数25社、前回比11社減)を集計した。新品偏重問題が「発生している」は3割、特殊配送の取引条件や負担で「問題を抱える」は4割強、特殊加工の取引条件や負担に「問題を抱える」は3割弱ある現状が明らかとなった。また、電線業界では、物流費や切断加工費の確保が問題となっている。18年10月以降、「輸送業者から費用の増額要求があった」とする回答は、8割に達した。特殊加工の取引条件や負担で問題を抱えるのは25%(同2・1ポイント増)あった。


電線の使用期限における新品偏重の問題についての回答は、「特に経験していない」68.0%(前回比7ポイント減)、「数件程度発生している」28.0%(同3ポイント減)、「多数(10件以上)発生している」4.0%(前年はゼロ)となった。発生していると答えた回答数は3割に達し、依然として問題が解消していない現状が浮き彫りとなった。
契約書の作成状況に関する質問では、「契約書は既にすべての取引先と交わしている」32.0%(同1.4ポイント増)、「契約書は一部の取引先であり、全ての取引先との契約書作成を進めている」28.0%(同2.6ポイント減)、「契約書は一部の取引先とできており、これで十分と考えている」32.0%(同4・1ポイント減)、「契約書はほとんど取り交わしていない」8.0%(同5.3ポイント減)となった。契約書作成が進行途中であるという回答や契約書をほとんど取り交わしていないという回答は、依然3割以上ある。さらに、契約書内容はトラブル防止、取引適正化の観点から十分でないとした回答は4割に上った。
特殊配送については、回答社中4割強が問題を抱えている。このうち「契約条件の明確化、改善要望は進めているが受け入れてもらえない」という回答は、5割強を占めた。特殊配送の契約条件は、「条件を明確にし顧客負担、または交渉中」55.0%、「自社・顧客費用分担、または交渉中」40.0%、「全て自社負担」5.0%となった。
輸送業者の増
額要求、8割
また、18年10月以降、「輸送業者から費用の増額要求があった」とする回答は、8割に達した。増額要求の配送費用に対する割合は、「10%以上」35・0%(同12・1ポイント減)、「10%程度」30.0%(同12.4ポイント増)、5%程度」30.0%(同3.5ポイント増)となり、「1%程度以下」は5・0%(同3・8ポイント減)に留まった。建販電線等を取り扱うメーカーのマージンは元々低いが、そこに物流費の上昇が追い打ちをかける。
この環境下、特殊加工の取引条件や負担で問題を抱えていると回答したのは25.0%(同2.1ポイント増)となった。このうち問題点の内容は、「契約条件の明確化ができていない」33.3%(同29.2ポイント減)、「契約条件の明確化、改善要望は進めているが受け入れてもらえない」66.7%(同41.7ポイント増)、「その他」の回答はなかった。契約条件の明確化、改善要望が進む一方で、受け入れてもらえないという回答が多い。特殊加工の契約条件の内容については、「特殊加工条件を明確にし、顧客負担としている」と「特殊加工を条件毎に自社・客先に費用分担している、または交渉中である」とした回答は9割弱を占め、昨年とほぼ傾向は変わらない。一方で、「配送加工費用は全て自社負担としている」は5.3%(同1.8ポイント減)で依然課題は残っている。

電線新聞 4167号掲載