•機械工業生産、17年6.6%増、引き続き拡大基調予想

2017年の機械工業生産額(経済産業省機械生産統計)は、65兆8924億円と前年を6.6%上回り、2年ぶりに浮上した。国内製造業は、補助金など政策効果による下支えもあって旺盛な設備投資を続けたが、海外もアジアをはじめとする景気の回復、円安傾向により輸出が拡大した。今年の業界新年賀詞交歓会では、トップから景気のいい発言が多く、受注額や生産額も強気の目標を掲げた。今のところリスク要因も少なく、引き続き拡大基調に乗るとみられている。

17年の生産額を半期別にみると、上期は32兆4411億円で前年同期比6.1%増、下期は33兆4512億円で同7.0%増となり、生産額、伸び率とも下期に向けて上げ潮状態。月別では、ほぼ5兆円ベースで推移、とくに9月以降は4カ月連続で前年同月を上回っている。

年間生産額うち、一般機械は前年比9.9%増の15兆6723億円、電気機械は同5.7%増の17兆7200億円、輸送機械は同5.5%増の32兆5001億円となり、揃って堅調に推移している。

品目別にみると、16年は前年を上回ったのが18品だったが、17年は38品目と20品目増加した。逆にマイナスはわずか9品目と前年の30品目に比べ大幅に減少するなど、景気の改悪状態を反映している。一方、マイナスは化学機械、コンベア、半導体素子、カメラなど9品目。

プラス業種のうち、20%以上伸びたのはボイラ、空気圧機器、事務用機器、産業用ロボットの4品目。10~19%の増加は前年の1品目(クレーン)から印刷機械、土木建設機械、油圧機器、工作機械、半導体製造装置など13品目に増えた。1~9%の増加は、空気圧機器、産業用ロボット、変速機、金型、乗用車、自動車部品、計測機器など21品目(15年19品目)。

一方、本紙が機械統計をベースに集計した主要47品目の生産額(確定値)は55兆6924億円(機械統計総額の約84%)となり、前年比で6.8%増加した。

今年は、政府が引き続き経済対策を強化する方針を打ち出しているほか、世界経済も堅調が予想されている。とりわけ中国が再び成長軌道に乗っているのに加え、アジア全体に波及、欧米も視界良好。一部に政情不安はあるものの、総じてリスク要因は少ない。企業にとっても追い風が続くとみられ、機械工業の生産活動は、今年も上昇するとの見方が強い。

商経管材新聞2018年4月11日号掲載