メーカー各社の商品戦略
パナソニック ライフソリューションズ社
地震での二次災害防止
スマートコスモ・コスモパネルの「あんしん機能付住宅分電盤」には、地震による通電火災等二次災害を防止する「地震あんしんばん」や雷被害の危険防止に対応する「かみなりあんしんばん」、さらに両方の機能を備えた「地震かみなりあんしんばん」などがラインアップされている。
地震あんしんばんは、震度5強以上の地震が来た際に感震ブレーカーが擬似漏電信号を送り、主幹漏電ブレーカーを強制遮断して電源をストップする。避難時にブレーカを切り忘れても安心な設計となっている。
地震波感知後3分以内に停電しなかった場合は感震ブレーカーが3分後に主幹漏電ブレーカを遮断し、地震波感知後3分以内に停電した場合は地震がおさまって電気が復旧したときに主幹漏電ブレーカーを遮断する。
加速度センサーにより周期・加速度と震度の関係に近い動作特性(震度5強)を実現し、生活保護フィルタにより地震と生活での揺れを区別することで誤検知防止が可能となった。
かみなりあんしんばんは、電気製品や保有データを壊す恐れがある電源側やアース側から侵入した異常電圧(雷サージ)を避雷器がカットし、雷被害から守る。
おもなラインアップ
◇スマートコスモ(HEMS対応)
・地震あんしんばん
・かみなりあんしんばん
・地震かみなりあんしんばん
・かみなりあんしんばん(あかり機能付)
・あかりぷらすばん
◇コスモパネル
・地震あんしんばん
・かみなりあんしんばん
・地震かみなりあんしんばん
・地震あんしんばん(オール電化対応)
・地震あんしんばん(太陽光発電システム対応)
・地震あんしんばん(オール電化対応・太陽光発電システム対応)
・かみなりあんしんばん(あかり機能付)
・あかりぷらすばん
◇単体取付
・感震ブレーカー
・盤用避雷器
◇後付けボックス
・感震リニューアルボックス
・感震ブレーカー搭載マルチボックス
□スマートコスモ
◇マルチ通信型
新開発の計測アダプタを搭載した戸建住宅・集合住宅を問わないHEMS対応住宅分電盤。
◇レディ型
将来のHEMS採用を視野に入れて分岐電流センサーを搭載し、計測アダプタを後付けできる住宅分電盤。
日東工業
家屋内の火花放電検出
放電検出ユニット付ホーム分電盤
放電検出ユニット付ホーム分電盤
このほど、家屋内の火花放電を検出し電気火災の未然防止に貢献する「放電検出ユニット付ホーム分電盤」を発売した。 放電検出ユニット「Spartect」は、家屋内のトラッキングやケーブル断線、ショートなどで発生する火花放電の特有ノイズを同社独自技術により検出し、電気火災の未然防止に貢献する。 家屋全体を監視することが可能なため、壁内配線など目視が困難な箇所で発生した火花放電も検出することができる。 すでに、「JECA FAIR 2019」製品コンクール経済産業大臣賞や「第6回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)」最優秀賞を受賞するなど、発売前から高い評価を得ている。
【おもな特長】
◇火花放電の検出
トラッキングだけでなく壁内配線など目視が困難な箇所で発生した火花放電も検出する。
◇検出時に通知
火花放電検出時にはブザーとLEDで知らせる。
◇検出時に自動遮断
漏電ブレーカの自動遮断が選択できる。
◇監視装置と連携可能
警報出力によりメール通知など各種機器と連携できる。
テンパール工業
後付けで感震機能実現
◇感震機能付住宅用分電盤
震度5強相当以上の地震を感じたら、電気回路を自動で遮断する。作動時には「光」と「音」で知らせ、約3分後に主幹漏電ブレーカを遮断する。
感震機能付住宅用分電盤が内線規程で「勧告」「推奨」になった。大規模地震時における火災の発生状況は、阪神・淡路大震災は電気関係が約61%、東日本大震災は約65%と半数以上を占めている。
感震機能付住宅用分電盤パールテクトは、新築・リフォームに最適である。リミッタースペースなしとスペース付があり分岐横二列タイプと分岐横一列タイプがある。
◇感震センサーユニット
既設の同社製住宅用分電盤に後から取り付けて感震機能を実現できる。
①別置き用②パールテクト専用③パールミニ専用がある。
疑似漏電方式を採用しているので、施工が楽にできる。専用の主幹漏電ブレーカへの交換が不要で、タブ端子で接続が簡単である。
分岐部組込用は、超小型で分岐ブレーカ2個分サイズで、震動センサーとマイコンの組み合わせで動作が安心であるなどの特長がある。
〈各部の名称とはたらき〉
①感震動作ランプ
・地震波を感知すると赤色に点滅する
・テストボタンを短押しすると赤色に点滅する
②電源ランプ
・通常時は緑色に点灯する・停電時は消灯する
③リセットボタン
・ボタンを押すことで感震動作を解除する
・ブザーの鳴動と感震動作ランプの点滅を停止する
④テストボタン
・ボタンを押すことで感震動作機能をテストする
河村電器産業
施工性など数段アップ
同社が発売しているホーム分電盤「Ezライン」(イージーライン)が注目されている。人手不足の時代を見据え、施工性などを重視した新しい発想のホーム分電盤で、これからの時代にマッチする。
同製品は、分岐ブレーカが下段側だけの横一列の配置となっているため、天井付近で手さぐりになりがちな上段側の結線を行う必要がなく、楽な体勢で施工することが可能。
また、一般的なホーム分電盤(分岐2列)と比較して高さが100㎜低い220㎜となり、住宅内の設置場所の可能性が広がるなど「小型化」を重視しているのも特長の一つ。
開発背景には、国内の建設現場における慢性的な人手不足に対応するため、建設現場でのホーム分電盤の設置作業で手間と時間を少しでも減らすため、ホーム分電盤の施工性を徹底的に追求し、分岐ブレーカを横一列に配置した新商品を開発したもの。
感震リレーやLED保安灯など安心・安全のための付加機能を搭載することができる。
今後は、施工の手間や時間が特にかかる集合住宅(マンション・アパート)での採用拡大に力点を置く。