5G、Wi-Fi6 普及 DC市場も躍進 特殊 光ケーブル・コネクタ 需要増進 電力ケーブルも動く


データセンター(DC)市場が、一段と活気を帯びている。それを象徴するように、DCの建設ラッシュが千葉県印西市の千葉ニュータウンエリアで続く。中にはハイパースケールも少なくない。5Gの普及やWi―Fi6の伸展、コロナ禍によるリモートワーク増大、GIGAスクール構想などでトラフィック量が急伸していることが背景になっている。そのため光ケーブルや光コネクタに加えて、電力ケーブルの需要も動き出しそうだ。


データセンター(DC)の建設ラッシュが続く。特に、千葉県印西市の千葉ニュータウンエリアは、GAFAも引き寄せるDC銀座「INZAI」(印西)とも呼ばれ、業界では著名である。世界の大手DC事業者やクラウド事業者をはじめ様々な事業者がDCを建設中だ。
「INZAI」がDC銀座と呼ばれる理由は、地盤が比較的に地震に強く、米国からの長距離光海底ケーブルの陸揚げ局が近傍にあるうえ、巨大消費地の東京が近い点にある。加えてGAFAなどがハイパースケールDCを建設する場合は、必ず同じ規模のバックアップDCを双生のように1棟建設できる候補地があることも条件だ。
「INZAI」に限らず、DC建設は総じて増えている。5Gの普及やWi―Fi6の伸展、コロナ禍によるリモートワーク増大、ギ構想などでトラフィック量が急伸していることが背景になっている。
シスコの年次レポートによれば、23年までに5G接続は、4G接続の3倍以上のトラフィック量を生成する。また、世界の公共Wi―Fiスポットは、同じ23年までに18年(1億6千900万カ所)のほぼ4倍の6億2千800万カ所になるとしている。
このためDC向けに光ファイバや光コネクタの需要が増進し、さらに6千心や1万心級の高付加価値光ケーブルの引き合いも増えている。
また、「INZAI」のケースでは電力の需要増を見越し、東京電力も大規模水力発電所3個分に相当する電力供給ができる超高圧変電所の新設に着手している。このため電力ケーブル需要にも繋がりそうだ。電力供給が満たされる23年以降は、さらにDC施設が増え、光ファイバケーブルや光コネクタなどの需要においてシナジー発生も期待できそう、という。

電線新聞 4224号掲載