3月の東京地区管材景況 売上・粗利はやや停滞 景況感持ち直し傾向

東京管工機材商業協同組合はこのほど、3月の「管工機材商景況動向」を発表した。それによると、前月マイナス10.5㌽だった景況感は、「好況」回答が上昇し「悪い」回答が下降した結果、「好況」から「悪い」を差し引いた数値はプラス15.8㌽まで持ち直した。売上高の「増加」回答は集計6品目中上向き・下降各2品目、横ばい2品目で平均ではわずかに下降、「減少」回答は上昇した。全体の「増加」回答から「減少」回答を差し引いた数値はマイナス0.3㌽だった(2カ月ぶり「減少」超)。粗利益額の「増加」回答は「自由説商品」のみ上昇し5品目が下降したことにより合計値は10.3㌽下降し、「減少」回答が8.1㌽上昇した結果、こちらも2カ月ぶりの「減少」超だった(マイナス5.8㌽。前月プラス12.6㌽、前々月マイナス3.7㌽)。3月は売上高・粗利とも多くの品目で「増加」回答が下降したが、景況感はマイナスからプラスに転じ大きく持ち直した。

3月調査結果の概要は次の通り。カッコ内は前月実績。

【全般的景況】

▽全体的に好況…0.0%(21.1%)

▽部分的に好況…42.1%(10.5%)

▽全般的に普通…31.6%(26.3%)

▽部分的に悪い…15.8%(36.8%)

▽全体的に悪い…10.5%(5.3%)

前月大きなプラスを示した「全体的に好況」がゼロに沈んだが、「部分的に好況」が31.6㌽もの大きな上昇幅を示した。「全般的に普通」は前月の26.3%から31.6%に上昇した。一方、「部分的に悪い」が前月の36.8%から21.0㌽下降し15.8%となり、「全体的に悪い」が前月の5.3%から10.5%に上昇した結果、「悪い」は15.8㌽下降した。これにより「好況」(42.1%)から「悪い」(26.3%)を差し引いた数値はプラス15.8㌽で、3カ月ぶりにプラスに浮上した。12月と1月の沈下幅が大きかったが2月・3月の浮上幅もまた大きく、景況感の持ち直し傾向が現れたように見えるが、予断は許さないといえよう。

【資金繰り】

▽好転…0.0%(5.3%)

▽変わらず…100.0%(94.7%)

▽悪化…0.0%(0.0%)

「好転」回答がふたたびゼロに下降し、「悪化」回答のゼロが続いた。

【売上高】

「増加」は27.7%、「減少」は28.0%で差し引きマイナス0.3㌽(前月プラス7.0㌽)で、2カ月ぶりに「減少」超だった。前月比で「増加」は1.1㌽上昇し、「減少」が8.4㌽上昇した(「変わらず」は9.4㌽下降)。内訳をみると、「増加」回答は2品目が上昇し(幅は「水栓衛陶」9.8㌽、「住設商品」15.7㌽)2品目が下降した(幅は「化成品・塩ビ」11.1㌽、「空調機器」8.3㌽)。「減少」回答は「「水栓衛陶」が0.9㌽下降しほか5品目が上昇(幅5.6㌽~18.0㌽)した。「増加」回答から「減少」回答を引いた値は2品目がプラス(「管継手バルブ」5.5㌽、「水栓衛陶」16.6㌽)、「住設商品」が均衡、ほか3品目がマイナスだった(「化成品・塩ビ」5.6㌽~「水栓衛陶」16.6㌽)。

【粗利益額】

「増加」回答(合計20.2%)は「住設商品」のみ4.6㌽上昇し、ほか5品目が下降し(幅「水栓衛陶」1.6㌽~「化成品・塩ビ」27.8㌽)、合計では前月比10.3㌽下降した。「減少」回答(合計26.0%)は「管継手バルブ」のみ横ばいだったほか5品目が上昇し(幅「化成品・塩ビ」5.5㌽~「住設商品」15.7㌽)、全体では8.1㌽上昇した。「変わらず」は53.8%で2.2㌽上昇した。「増加」から「減少」を差し引いた数値は前月のプラス12.6㌽からマイナス5.8㌽に沈下し(3カ月ぶり「増加」超)、品目別では「水栓衛陶」のみ5.6㌽のプラス、「管継手バルブ」が均衡、ほか4品目がマイナスだった(「ポンプ」6.2㌽~「空調機器」12.5㌽)。

3月は2月に対し、売上高・粗利とも「増加」回答から「減少」回答を差し引いた数値が2カ月ぶりの「減少」超を示し、どちらも前月の持ち直し傾向が持続せず停滞したようにみえる。各品目の「増加」回答の動きをみると、売上高・粗利とも上昇した品目は「住設商品」のみ、「水栓衛陶」は売上高が上昇し粗利が下降、「管継手バルブ」は売上高が横ばい・粗利が下降、ほか3品目は売上高・粗利とも下降した。

【販売価格】

「上昇」回答は、「化成品・塩ビ」(前月5.9%)と「ポンプ」(同6.7%)がそれぞれ0.3㌽下降したほか4品目がゼロのまま横ばいだった(平均2.0%)。「下落」回答は「管継手バルブ」「ポンプ」が下降し(幅各5.9㌽、0.4㌽)、ほか4品目が上昇し(幅「化成品・塩ビ」5.6㌽~「水栓衛陶」16.7㌽)、全体では8.7%(6.6㌽上昇)。「上昇」から「下落」を差し引いた数値は前月のゼロからマイナス6.7㌽に沈んだ(2月まで4カ月連続の「下落」超)。

引続きすべての品種で「変わらず」が多くを占め(「水栓衛陶」83.3%、「空調機器」「ポンプ」各87.5%、「化成品・塩ビ」「住設商品」88.9%、「管継手バルブ」100.0%)、全体の数値は前月比6.4㌽下降し89.4%だった。

【在庫額】

「増加」が10.6%(前月比5.5㌽上昇)、「減少」は7.7%(2.3㌽下降)、「変わらず」81.8%(3.2㌽下降)であった。品種別動向でも在庫額は「変わらず」回答が最も高い比率を維持している。「変わらず」回答は「管継手バルブ」「空調機器」が上昇(幅各5.6㌽)、「ポンプ」が横ばい、3品目が下降(幅「住設商品」4.9㌽~「水栓衛陶」21.9㌽)。「増加」回答は「管継手バルブ」が横ばい、「空調機器」が7.0㌽下降したほか4品目が上昇(幅「化成品・塩ビ」5.5㌽~「水栓衛陶」16.3㌽)、「減少」回答は「水栓衛陶」のみ5.6㌽上昇、「化成品・塩ビ」が横ばい、ほか4品目が下降した(幅「住設商品」0.7㌽~「ポンプ」12.5㌽)。

商経管材新聞2019年5月22日号掲載