【大成建設】 大規模災害時のBCP支援ツールを開発

機能維持時間に合わせて設備機器と自動制御

大成建設は、東光高岳と共同で、災害時統合型ビル管理システム「T-BC Controller」を開発(第1図)。
災害時の活動拠点となる公共施設や病院BCPを強化する企業などへの支援ツールとして提供を開始する。

●開発の背景
近年の大規模災害の増加により、各企業ではBCPの策定と、それに沿った平時訓練の重要性が高まっている。しかし、実際に災害が発生した場合、インフラ設備が供給を停止するなどの予期せぬトラブルにより、BCPを実行することが困難な状況が予想される。そこで、同社はBCPの実行を確実なものとするための支援ツールとして、同システムを開発した。

●機能
同システムは、大規模災害発生時によりライフラインが供給を停止した際に、備蓄燃料や給水設備の残存量などから各設備の運転可能時間を自動で予測、見える化する(第2図)。
予測した運転可能時間が、BCPを実行するうえで必要な機能維持時間より短い場合は、あらかじめ設定した優先順位の低い諸室の電源や設備を自動停止させ、優先順位の高い諸室(災害対策本部など)に供給するなどのコントロールを自動で行うことことができる。そして、施設の機能維持時間を延ばし、各種インフラの状況を素早く把握することにより、災害における活動方針の決定などBCPの実行を支援する。

●特徴

(1)BEMSとの連携
設備機器を管理するBASおよびエネルギー使用量を管理するBEMSを連動させた災害時統合型ビル管理システムとなって大規模災害時のBCP支援ツールを開発大成建設機能維持時間に合わせて設備機器と自動制御いる。災害時には備蓄燃料や水の消費を抑える機能を装備。

(2)ライフラインの見える化
停電、ガス供給遮断、断水などを感知すると、待機状態のツールが自動で起動し、BCPモードに切り替わり、水や発電機燃料などの備蓄インフラの供給可能時間などを予測、見える化する。

(3)自動コントロール
あらかじめ策定した機能維持時間となるように各種インフラ設備にかかるエネルギー負荷量を選定し、各々のエネルギー使用量を制御する機能を備えている。

オーム社「電気と工事」2020年4月号掲載