大成建設、豊橋技術科学大学、大日本印刷 ワイヤレス給電床「T-iPower Floor」を開発

従来の床厚を半減し、施工性向上を実現

大成建設、豊橋技術科学大学、大日本印刷は、汎用小型車両(以下、ビークル)やロボットに対してワイヤレス給電を行える内装床「T-iPower Floor」を開発した。

●従来の課題

近年、生産施設や物流施設では、屋内での荷物運搬用ビークル(AGV)やロボットの大量導入が進められている。
しかし、バッテリの充電や交換作業が必要なため稼働率低下が生じていた。

●同システムの特徴

① 走行中のビークルへワイヤレス給電
高周波電源を送電電極に接続することで、走行中のビークルなどへ電力をワイヤレスで送ることが可能となる(第1図)。

この給電床の実装により、ビークルなどの充電やバッテリ交換作業が不要となり、稼働率が大幅に向上する。

②効率的で柔軟な車両運用
給電床には、厚さ4mmの薄型樹脂パネルとテープ状の送電電極を採用。従来の半分の床厚で施工できる。
また、薄型化により、ビークルなどが送電レーンを乗り上げて横断できて、効率的で柔軟な車両運用が実現した。

③ 容易なレイアウト変更と優れた施工性
給電床は薄型樹脂パネルを連続して敷設する「薄型パネル工法」を採用。従来の塗床工法に比べて施工性に優れ、送電レーンのレイアウト変更も容易で安価に構築できる(第2図)。

●今後の展望

施設への実装に向けたワイヤレス給電システムのさらなる実証実験を進め、2025 年度の商用化を目指す。

オーム社「電気と工事」2021年4月号掲載