日本電線工業会 2021年度の国内 光ケーブル需要見通し

5G関連需要、堅調に推移

働き方改革の一環で テレワーク需要急増

日本電線工業会はこのほど、2021年度の国内光ケーブルの需要見通しについて、2020年度見込みを含めて取りまとめた。

1、概要
公衆通信部門の2020年度は大手通信事業者向けの5G関連事業、高度無線化需要が継続しているが、新型コロナウイルスの影響を受けた工事の延期により2019年度実績比減と見込む。2021年度も5G関連需要が堅調に推移すると見込まれ、2020年度見込み比+4・3%と予測した。
公共関連部門についても、官公需、鉄道関連の設備更新により、2020年度は2019年度実績比+20.5%、2021年度は2020年度見込み比+1.4%と予測した。
一般民需部門においては、2020年度は5G、IoT関連の設備更新、データセンター関連需要で2019年度実績比+17.9%と予測した。2021年度は引き続きデータセンター関連需要を中心に2020年度見込み比+4.1%と予測した。
これらの結果、国内光ケーブルの需要は、2020年度は2019年度実績比+3.5%の664万kmcと推定し、2021年度は2020年度見込み比+4.1%の691万kmcと予測した。国内での光ケーブルの需要は、新型コロナウイルスの感染拡大が契機となり、企業の働き方改革の一環でもあるテレワーク需要の急増をうけ、高速・大容量化の一層のスピードアップが求められ、今後も堅調に推移していくと予測した。

2、前提条件と
主な参考指標
マクロ経済指標:メタル(銅及びアルミ)電線と同じ
総務省:令和2年情報通信に関する現状報告 2020年8月
総務省:令和2年度地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証 2020年10月
NTT:2020年度事業計画の許可申請について 2020年3月
NTT:2021年度事業計画の許可申請について 2021年3月

3、需要
見通し結果
〈公衆通信〉
2020年度は、大手通信事業者の5G関連需要あるものの、新型コロナウイルスの影響を受けた工事の延期等により、2019年度比減と見込まれる。
2021年度は、5G関連需要が堅調に推移すると見て、2020年度見込み比増と予測した。
〈公共関連〉
2020年度は、官公需、鉄道関連の設備更新により、2019年度比増と見込まれる。
2021年度は、官公需の更新需要は継続すると見て、2020年度見込み比増と予測した。
〈一般民需〉
2020年度は、5G、IoT関連の設備更新、CATV、データセンター関連需要が堅調で、2019年度比増と見込まれる。
2021年度は、データセンター関連需要の堅調な推移が牽引し、2020年度見込み比増と予測した。
〈国内需要合計〉
2020年度は、公衆通信は減となるものの、公共関連、一般民需部門が増となり、2019年度比増と見込まれる。
2021年度は、公衆通信が回復、公共関連、一般民需部門も堅調を維持し、2020年度見込み比増と予測した。

電材流通新聞2021年6月10日号掲載