電材市場活性化特集 全日電材連傘下組合員「景況アンケート調査」から見えてくる現状と今後の課題

二極化進むも全体的には好調ムード

本紙・電材流通新聞社では4月下旬、全日電材連傘下の主要組合員に「景況アンケート調査」を実施した。今年の経済環境がどういう状況なのか、はっきり把握できないなかでの調査となった。質問を一層、内容のあるものにするために新しい項目を入れ、さまざまな視点から調査した。質問事項は、①売上高②営業利益③好調の要因④業界の課題⑤対応策⑥期待できる商品(システム)⑦景気の現状㉀景気回復の時期⑧メーカーへの要望⑨工事、卸業界への10項目。今回は、5月の特集号で掲載できなかった「全国各ブロック」のアンケート結果をグラフとともに掲載する。併せて、東京、愛知、大阪の各地区(グラフを除く)も掲載する。

「価格の低下」一番の課題
全国


回答率は41.0%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
2ケタ増が5割強でもっとも多く、次いで1ケタ減が3割強となった。
◇営業利益(同)
売上高とは対照的に、2ケタ増が4割強、1ケタ減が4割弱と拮抗している。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業の好調の要因としては「積極的な提案営業」が5割弱ともっとも多く、これに「取引先の増加」が4割強と続く。
◇業界の課題(複数回答)
いま業界で一番課題となっているのは「価格の低下」が7割強、次いで「異業種の参入」が4割強である。これに、「取引先の減少」と「配送」がそれぞれ3割強となっている。
◇対応策(複数回答)
トップは「提案営業の強化(工事業者とのタイアップ)」の7割強で、次いで「営業(取扱商品)の見直し」が6割強となっている。
「IoTへの対応」は、期待に反し1割強にとどまる。
◇期待できる商品(システム)(複数回答)
トップは「LED照明」の7割弱。これに「セキュリティ関連」が5割弱と続く。あとは「蓄電池」が4割弱、「HEMS」が3割強となっている。
「太陽光発電」は、1割にも満たなかった。
◇景気の現状
と「景気は悪い」が6割を超え、「少し良い」が3割強となった。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
こちらも「全く期待できない」が6割を超え、あとは「今年秋から」と「来年秋以降」それぞれ1割強となっている。

売上高 「2ケタ増」3分の1
北海道ブロック


回答率は27.3%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
昨年よりも好転の兆しがみえる。「マイナス0—9%」は40%と昨年と変わらないが、一方で、10%以上の伸びが33.3%、1ケタの伸びも昨年より減少しているとはいえ、33.3%を確保している。
◇営業利益(同)
前年を上回ったのが、66.6%。1ケタ増、2ケタ増がそれぞれ半数を占め、改善の方向にあるが、ただマイナス10%以上も33.3%と高い。
◇好調の要因(複数回答)
「取引先の増加」「コスト削減」「積極的な提案営業」がいずれも100%と前回を大きく上回った。
◇業界の課題(同)
昨年同様、価格の低下が100%と断トツ。「取引先の減少」「異業種の参入」「返品」「配送」「その他」が同数(33.3%)であとにつづく。
◇対応策(同)
66.7%ともっとも高いのが、工事業者とのタイアップなど提案営業の強化。そのほかでは、営業(取扱商品)の見直し、債権管理の強化が33・3%と同数。一方、インターネットやIоTへの対応は、数値に表れず、これからといったところ。
◇期待できる商品(システム)(同)
LED照明が66・7%と群を抜く。次いで、「蓄電池」「HEMS」「スマートグリッド関連」「セキュリティ関連」「4K・8K伝送関連」が同数の33.3%で、関心の高さがうかがえ、今後に期待がもてる。
◇景気の現状
「景気が少し良くなった」が66.7%、「依然、変わっていない」が33.3%と見方が分かれる。ただ、前者は昨年を9ポイント下回っており、楽観はできない。
◇景気回復の時期
全員が「全く期待できない」と回答している。