塩ビメーカー大手4社(信越化学、大洋塩ビ、カネカ、新第一塩ビ)が相次いで値上げを打ち出した。値上げ幅(㎏)は、10円以上~12円以上。塩ビ値上げ分をコンパウンドで換算すると上昇幅(㎏)は、6円~8円以上になる。これをVVF2心×2.6㎜(㎞)で目付換算すると564円~752円のコスト増となる。銅価が㌧110万円台で高止まりする中、塩ビの値上げは、かすむが、コスト高は変わらず相応の値上げが急務になってきた。
塩ビメーカー大手4社の信越化学、大洋塩ビ、カネカ、新第一塩ビは、相次いで値上げを打ち出した。価格引き上げ幅(㎏)は、各社によってやや異なり、10円以上~12円以上となった。値上げ実施日も企業により間が開き、6月15日~7月1日の出荷分からとなった。塩ビレジンの値上げは、今年になって2回目。4月頃に値上げしたばかりだ。
信越化学では、値上げの経緯について「4月以降も、原油やナフサ価格は高騰している。また、安全・安定操業と品質維持のために、塩ビ製造設備のメンテナンス費用の上昇も続いている。継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、原料価格や諸コストの上昇は、企業努力の限界を超えている。塩ビの今後の安定供給を維持するためにも、値上げは必要な措置である。なお、海外ではアジア、アメリカを中心として需要が伸長する中、欧米の一部メーカーでフォースマジュールが出されており、世界の需給は逼迫している」とした。ほかの3社も、値上げ理由は同様だ。
塩ビの値上げを、電線ケーブル用グレードの軟質塩ビコンパウンドに換算すると、その上昇幅(㎏)は、6円以上~8円以上になる。
例えば、この塩ビコンパウンドの価格上昇分を、VVF2心×1.6㎜(㎞)で目付換算すると384円~512円のコスト増になる。さらにVVF2心×2.6㎜(㎞)では、564円~752円のコスト高になる。
銅価が㌧110万円台で高止まりする中、塩ビ分の値上げは、かすむ。しかし、コスト高になることは変わらない。さらに、もともと電線メーカーの利益率は低いため、相応の値上げが急務になりそうだ。