- 内部電極と外部電極の一体化によるオープンやショートのリスク低減
- 低損失フェライトと低直流抵抗で高い電源効率を実現
- 磁束のキャンセル構造によりEMIの低減
- AEC-Q200準拠
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、車載用電源回路用インダクタ「HPL505032F1シリーズ」を 開発し、2021年7月から量産することを発表します。
車載用の電源回路に用いられるインダクタは多種多様ですが、本製品は、特にADAS等のCPU、GPUの電源回路で使用される大電流、低インダクタンスの製品です。独自に開発された高透磁率かつ低損失のフェライトに低抵抗のフレームを用いることで高い電源効率を実現しています。また、自社従来製品(HPL505028)と比較し定格電流は1.5倍となる40~50Aの大電流に対応可能です。独自の構造設計により、磁束のキャンセル効果としてノイズ対策に貢献するとともに、内部電極と外部電極を一体化したフレームによりにオープンやショートのリスクを低減し高信頼性を確保しています。
近年はADASにおける高速大容量のカメラ映像を扱うケースが急速に増加しています。これらに使用される車載用インダクタを豊富にラインアップしています。今後も車載電源回路用の総合的な製品サービスの提供により、お客様のご要求に応えてまいります。
主な用途
- ADAS (Level5 for Camera)
主な特長と利点
- 内部電極と外部電極の一体化によるオープンやショートのリスク低減
- 低損失フェライトと低直流抵抗で高い電源効率を実現
- 磁束のキャンセル構造によりEMIの低減
- 動作温度範囲は、 –55 ~ +155℃(自己温度上昇を含む)
主な特性
製品名 インダクタンス【nH】
@100kHz直流抵抗
【mΩ】max.定格電流
Isat typ.
【A】
25deg.C定格電流
Itemp typ.
【A】HPL505032F1060MRD3P 60 ± 20% 0.77 54 34 HPL505032F1070MRD3P 70 ± 20% 0.77 52 34 HPL505032F1080MRD3P 80 ± 20% 0.77 42 34 Isat : インダクタンス変化率に基づく場合(公称値より30% 低下)
Itemp : 温度上昇に基づく場合(温度上昇40°C)生産・販売計画
- サンプル価格 :100円/個
- 生産拠点 : 日本
- 生産予定 :2万個/月(当初)
- 生産開始 :2021年7月
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2021年3月期の売上は約1兆4790億円で、従業員総数は全世界で約129,000人です。ダウンロード
製品の詳細情報は、
https://product.tdk.com/system/files/dam/doc/product/inductor/inductor/smd/catalog/inductor_automotive_power_hpl505032f1_ja.pdf
で参照できます。
公式プレスリリースはこちら: インダクタ: 車載電源回路用インダクタの開発と量産