電線工業会調べ主要7部門出荷 21FY上期総計30.5万t(3.4%増)、5カ月続伸

車(18%増)、電気機械(15%増)が牽引
件名遅延等で、建販3%減

電線工業会がまとめた21年度上期(4~9月)電線主要7部門別出荷数量は、主力の建設電販をはじめ3部門が減少したものの、電気機械、自動車などの4部門の増加が牽引し、総計は30万5千345㌧で前年同期比3.4%増加し、21年度通期でみるとプラスで折り返した。新年度に入っても電気機械と自動車が毎月好調に推移し需要全体を下支えしたこともあり、総計値は4~8月まで、5カ月連続で前年同月を上回った。
出荷金額ベースでは、銅価高のため7部門すべてが二桁増となり、総計は6千106億6千500万円で、同25.5%増と大幅に伸びた。ただ、建販などで、品種によっては石化分も含めて値戻しが満足にできていないケースもある。
一方、光ケーブルなどの光製品は、2千164万7千100㎞Cで同4.8%増加した。海外向けよりも国内向けが健闘した。金額ベースでは1千508億4千400万円で同7.7%増加した。うち光ファイバ・ケーブルコードは、349億7千400万円で同9.2%増となった。光製品とコードが、数量よりも金額ベースで大きく伸びたのは、特殊製品の増加と原料高による。

電気機械は13カ月連続してプラスへ

電線主要7部門別出荷数量をみると、プラスグループ4部門のうち、電気機械は、自動車の電装用途に加えセンサー類、シールド、FA・ロボットや工作機械向けが活況で同15.0%増となり、13カ月連続で伸長した。特にFA・ロボットケーブルが繁忙だった。ただし、2010年度上期(8万6千312㌧)レベルには戻らず、本調子には程遠い。
自動車は、自動車の生産台数とほぼ連動して4月から5カ月連続で増え同18.4%伸長した。ただ、9月は半導体不足に伴う自動車の減産が響き前年同月比29.1%減と急ブレーキがかかった。また、中期的には自動車の電動化で回路数が増え、市場が数段拡大すると期待されている。
その他内需は、コロナ禍の影響で民間設備投資などが振るわず、7月までは連続して減少したものの、8月に大幅に伸長したため、トータルでは前年同期比0.6%増とわずかに上回った。
輸出は、一部電力ケーブルのスポット需要と応援輸出が重なり、同13.1%増加した。4月以降、前年同月を割り込んだのは6月と9月のみで健闘した。
マイナスグループ3部門のうち、通信が前年同月を上回ったのは、8月のみ。CCPなどの需要が低下していることに加え、昨年動いたGIGAスクール用LANケーブル需要の反動で同14.1%減となった。
電力は、洋上風力発電向けやメンテナンスなどが動くものの、案件の先送りなどが続き、同3.3%減と4月以降5カ月連続で減少した。
建設電販は、コロナ禍や銅価高などの影響で電設と市販ルートとも伸び悩み同3.0%減となった。特に大型プロジェクトなどが遅延・先送りされるケースが増えたほか、110万円/㌧を超える銅価高などが足かせになったのが響いた。

電線新聞 4262号掲載