F2心×2.6㎜で3760円高(㎞)1月から実施か? 塩ビコンパウンド、近々過去最高値上げ 焦点はパイプの動向


塩ビ系コンパウンドメーカーがここ1、2週間以内に値上げを打ち出しそうな情勢になってきた。価格上げ幅は40円/㎏前後になりそうであり、実施は1月からの見通し。今回の値上げは、塩ビレジンと可塑剤のコスト増にともなうもので、過去最高の上げ幅になる見込み。値上げ額40円/㎏をVVF2心×2・6㎜(㎞)で目付換算すると、3千760円以上のコスト増になる。銅価が㌧110万円台で高止まりする中、石化の値上がりはかすみがちだが、コスト高は変わらず、応分の値戻しが必要になってきた。


塩ビコンパウンドメーカーが1、2週間以内に、値上げを打ち出しそうな情勢になってきた。上げ幅は40円/㎏前後。実施は1月からの見通し。
値上げの要因は、主原料の塩ビレジンと副原料の可塑材がこの間、相次いで値上がりしたためだ。値上がり幅は、可塑剤(40円超~51円超/㎏)、塩ビ(40円超/㎏)とも過去最高水準となった。当然、40円/㎏前後と想定される塩ビコンパウンドの値上げ打ち出しも、過去最高になる。

一方、塩ビコンパウンドメーカーの値上げのシナリオは、塩ビコンパウンドの主原料である塩ビレジンの値上げ交渉次第。塩ビレジンメーカーにとって最大のユーザーは硬質パイプメーカーのため、その交渉動向による。パイプメーカーとの値上げ交渉が決着後、その次に塩ビコンパウンドメーカーや塩ビコンパウンドを自家練りしている電線メーカーなどと本格交渉に入る。コンパウンドメーカーは、塩ビレジンの値上げを受け入れ次第、即座に塩ビコンパウンドの値上げを打ち出す構えだ。
業界筋によれば、現在、塩ビレジンメーカーと石化パイプメーカーの値上げ幅40円/㎏を巡る綱引きが熾烈化し、一部で決着したという。当初、「12月初旬には決着がつく」とした見方が多かった。ただ、ふたを開けてみると、交渉が長引いており「実質的な値上げは1月から」とした見方が増えている。

仮に、塩ビコンパウンドが40円/㎏値上がりすれば、VVF2心×2・6㎜(㎞)で目付換算すると、3千760円のコスト増になる。銅価が㌧110万円台で高止まりする中、石化の値上げはかすみがち。しかし、コスト高は変わらず、応分の値戻しが必要になってきた。また一部では、コンパウンドのタイト感も取り沙汰されている。

電線新聞 4262号掲載