新規受注納期回答 停止を再延長 6.6kV CV

2月末まで、当分の間
建販向け品薄が続く


「建販用6.6㎸CV/CVTケーブルの新規受注・納期回答を停止している件」についてこれを手掛ける建販電線メーカーと同系列問屋では、その停止適用期間を当初、昨年12月末まで、あるいは今年1月末までに延長した。ただ、6.6㎸ケーブルの品薄が続き、ほとんどの企業では、停止期間を2月末まで再延長したり、当分の間継続したりすることを決めた。


建販用6.6㎸CVケーブルの品薄感が続くなか、電線工業会は19日、「一部電線ケーブルに係る会員各社の新規受注停止等に関して」とした表題で、その現状報告の文書をホームページ(HP)で公表した。

要約すれば、「一部電線ケーブルを手掛ける会員各社では、需要家の発注増に応じられない状況にある。6㎸CVケーブルなど一部品種の電線ケーブルの需要は、昨年秋頃から、例年になく旺盛となっている。需要に供給が対応できず、新規受注停止などの事態が生じている。

これら一部品種について、会員各社は、要望に応えるため、できる限り増産を行い、それぞれ努力を重ねているが、需要家に不便を掛けている。今後も、一部品種について一定期間は、新規受注の停止や納期の再調整となる場合なども予測される。当会として、これを報告するとともに、理解を賜りたい」となる。

対象会員は、建販電線企業。その各社は「高圧ケーブル新規受注・納期回答の一時停止期間延長の件について」などと題した書面で顧客に告知したり、また、HPなどで公表したりするなど、何らかの形で対応している。建設電販電線大手4社の取り組みなどは、次の通りになる。

材料供給が戻れば速やかに通常対応

【フジクラ・ダイヤケーブル】

20日付けHPで文書を公表。同社は21年11月30日付けで、銅遮蔽付きケーブルの新規受注・納期回答の一時停止を1月末まで行うとHP上で公表していたが、その一時停止を当面の間、延長する(ただし、材料供給が回復した場合には、速やかに通常の対応をする)とした。合わせて、一部製品の在庫製造を見合わせることも、継続する。対象品種は、3㎸~33㎸のCV、6㎸耐火ケーブル、600VのCVS、600VのCVV(いずれもエコ他派生品を含む)。在庫運用見合わせ品種は、3㎸のCV、600VのCVTS、600VのCVS、600VのCVVS、6㎸耐火ケーブル(同)。今後も、既に注文を受けている案件を優先する。また、緊急品などは別途相談を受けながら、対応する。
同社では、延長について「建販電線ケーブルに使用する銅テープについて現時点で十分な量を確保できず、これからの入荷量と入荷時期について不透明な状況が改善されていない。一方、特に高圧ケーブルの問合せは、前年に比べ非常に高い要請があり、既に22年度上期までは高負荷な状態になっている。従って、新規受注の可否や納期の回答について、通常の対応が困難な状況が継続している」としている。

【住電HSTケーブル】

20日付け文書で告知。高圧ケーブル新規受注・納期回答の一時停止期間を、2月末日まで延長する。状况に応じさらに延期がある。受注・納期回答停止対象品種は、6.6㎸のCV(ET)=22SQ、38SQ、60SQ、100SQ。6.6㎸のCVT(EE)=22SQ、38SQ、60SQ、100SQ。EM6・6㎸のCET(ET、EE)=全サイズ。6・6㎸のEM―FPT(NH)全サイズ。ただ、一部(今回対象外)の品種・サイズについては、新規受注および納期回答を再開している。
同社では、「建設用6・6㎸高圧ケーブルが不足し、当社への問い合わせが急増しているため、新規受注及び納期回答の一時停止を1月末までとしていた。しかし材料メーカーからの銅テープの供給が制限され、依然、安定供給の目途が立たない。当社は、最大限の供給努力を行っているが、新規受注・納期回答の停止を継続せざるを得ない状况になった」とした。
最大稼働し増産努力解決の兆しが見えず

【矢崎エナジーシステム】

21日付け文書で告知。高圧ケーブルの新規受注・納期回答の一時停止を1月末から、当面の間継続する、とした。適応期間は、需要過多の状況が解消するまでの間。対象は6㎸のCV/CVT2層(ET)、3層(EE)の全サイズ。EM6㎸のCE/CET2層(ET)、3層(EE)の全サイズ。

同社では、「建設・電販用の6㎸ケーブルが市場で不足し、当社への注文や問合せが殺到している状況下、昨年12月13日付けの文書で、新規受注及び納期回答の一時停止を1月末日まで行うとした。このため当社は増産に努め、生産分を全て出荷しているが、未だに生産能力以上の問合せを頂き、状況は変わらない。また、同業他社でも同様な状況との情報を得ており、解決の兆しが見えてこない。当社は、今後も当該製品の製造ラインを最大限稼働させ増産に努めるが、当面の間、継続して一連の対応を取らさせていただく」とした。

【SFCC】新規受注・納期回答の一時停止期間を1月末までから、2月末までに延長するとした。対象品種は、3.3㎸および6.6㎸のCV、3.3㎸および6.6㎸のCVTシリーズ。在庫運用見合わせは、していないが、3.3㎸および6・6㎸のCVケーブル、3.3㎸および6・6㎸のCVTケーブルシリーズなどの在庫量は逼迫しており、不足している状況が続く。

同社では「顧客から受注・内定を頂いている物件対応に全力を尽くしている。しかし、不本意ながら、新規受注を引き続き停止している。見積に関しては、数量・希望納期などを確認しながら、個別に判断し対応している」とした。

電線新聞 4267号掲載