古河ＡＳは１２日、新型周辺監視レーダ「ＭＭＲ２」を開発したと発表した。同社は４月に日本で公開された新型クロスオーバーＳＵＶ「ＭＡＺＤＡ ＣＸ―６０」向けに量産を開始する予定。
近年、自動車の安全性に対する意識の高まりにより、新型車へのＡＤＡＳセンサ搭載は増加傾向にあり、同社の周辺監視レーダも「ＭＡＺＤＡ ＣＸ―５」に標準搭載されている。
各国ＮＣＡＰ（新型車の安全性評価）は、後退時歩行者保護、交差点補助などの新項目を取り入れ、安全評価基準のレベルも上昇している。また複雑化する電子制御部品自体の安全性確保のため、周辺監視レーダにおいても新型車への搭載には機能安全やサイバーセキュリティに関する国際規格への適合が求められる。一方で、取り付けには、位置により車体デザインやバンパ形状の変更が必要だった。
同製品は２４ＧHz（ＩＳＭ帯）周辺監視レーダで、「ＩＳＯ２６２６２」に対応し、また自動車サイバーセキュリティの国際規格である「ＩＳＯ／ＳＡＥ２１４３４」にも対応可能で「ＭＡＺＤＡ ＣＸ―６０」に採用された。
「ＭＭＲ２」はＮＣＡＰや新たなアプリケーションへの適合性を高めるため、従来品よりも検知範囲を広げ、速度検知精度や空間認識性能を向上、車両の４隅配置を想定し、出会い頭や交差点の右左折時、車線変更時、停車時、一般走行時など、広い範囲の検知アプリケーションに適用できる。製品体積／重量をそれぞれ約３０％削減し、バンパ裏面に直接取付可能としている。
２４ＧHz周辺監視レーダはバンパ透過時の伝搬損失が少なく、車両デザインへの影響が少ない特長があり、汚れ、着雪、降雨の影響も受けにくいため、天候によらず性能を発揮できる。
電線新聞 4276号掲載
