ポリプラ・エボニック 多層樹脂チューブ素材 東レと共同開発

ポリプラ・エボニックは9日、ポリアミド樹脂(PA)とポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)の接着を可能とする接着材料を東レと共同開発したと発表した。
この新規接着材料を適用して開発した樹脂チューブは、内層に東レのトレリナ(PPS)、外層にポリプラ・エボニックのダイアミド(PA12)を用いている。
従来のPA単層チューブや内層にポリプロピレン(PP)を使用した多層樹脂チューブは、耐熱性や加水分解などの問題によって、比較的低温の冷却水が流れる配管に採用が限られていた。

今回開発した多層樹脂チューブは、一般的な樹脂チューブ押出装置で成形が可能であり、コルゲート成形も可能なため、強靭な機械特性を損なうことなく様々な形状での生産に対応可能だ。また、130℃付近の高温環境下で使用でき、冷却水に対してのイオン溶出が少ないという特長を持つ。
同社は、自動車の冷却配管、特に高温の冷却水が流れる部分の金属配管からの置き換えや、低イオン溶出性を活かした電気自動車や燃料電池自動車向けの冷却配管などへの採用を目指す。また、自動車産業だけでなく産業機械など冷却配管全般への展開も可能としている。

電線新聞 4281号掲載