電気の豆知識 ~いつか役立つ⁉︎ 電気にまつわる雑学篇~ 「風力発電」

回る回る巨大な風車

一般財団法人新エネルギー財団「風車あれこれ」より

風力発電機を目にしたことがある人も多いでしょう。あの巨大な風車は、大きいものだと高さ100m以上もあるそうです。ビルなら30階建てに相当します。大阪のシンボル「通天閣」がちょうどそのくらいの高さですから、いかに大きいかがわかるというもの。ブレードと呼ばれる羽を組み合わせたロータの直径も、大きいものは80m以上。一般的なタイプは回転軸が地面と並行の「水平軸型」で、プロペラ式、オランダ式、多翼式といった羽の種類があります。一方、回転軸が地面に対して垂直になる「垂直軸型」というタイプもあります。
発電の仕組みをごく簡単に説明すると、羽が風を受けて回転することで生まれる力を、羽の後ろに備えられている発電機に伝えて電気を起こすという、まあ、見た目通りといえば見た目通りの仕組み。タワーと呼ばれる支柱の中には電力ケーブルが通っています。

どこにある? どのくらい発電できる?

風力発電機が設置される場所は陸上と洋上とがあります。日本では北海道、東北、九州に多く、海沿いや山上など、つまりは風がよく吹く場所に建てられています。多くの風力発電機が設置されている集合型の風力発電所はウインドファームとも呼ばれます。
関西にも風力発電所があります。兵庫県淡路市の海沿いに6基の風車がそびえ立つ、関西電力グループの「淡路風力発電所」です。関西電力のホームページによると、1基の全長は約120m、回転したときの羽の直径は約80m。発電電力量は6基で年間約2,000万kWh(キロワットアワー)。これは、一般家庭のひと月の電気使用量を260kWhとした場合、6,500世帯の1年分に相当するのだそう。
思ったよりやるじゃん! という印象ですが、わが国における風力発電の割合は、全発電電力量の1%にも満たないのが現状だそうです。

仮面ライダーも風の力を使っている!?

ここで突然、話題は変わり、なぜか文章も“である調”になってしまうのであるが、子どもたちの永遠のヒーロー「仮面ライダー」も、実は風の力で変身しているのだ。
仮面ライダー1号・2号のいわゆる変身ベルトはタイフーンといい、その真ん中には赤い風車が付いている。仮面ライダー公式ポータルサイト『KAMEN RIDER WEB』よると、風圧を感知してベルトの風車ダイナモが作動を開始し、取り込んだ風力が胸部のコンバーターラングへと送られ、両脇にあるエナージ・コンバーターの作動と同時に起動する体内の超小型原子炉からのエネルギーが全身の改造人工筋肉に行き渡って変身するのだ。なんだかよくわからないが、風の力はすごいのだ。

〈風力発電の主なメリット〉

●地球温暖化の主な原因とされる二酸化炭素(CO2)を、発電時に排出しないクリーンエネルギー。
●石油や天然ガスなどの化石燃料のように枯渇する心配がない再生可能エネルギー。
●天然資源の乏しい日本にあって、輸入に頼る必要がない純国産エネルギー。
●太陽光と違って夜でも発電でき、風から電気エネルギーへの変換が高効率。

〈風力発電の主なデメリット〉

●風か吹かなければ発電できない。発電量が風力に左右されるため安定供給が困難。
●陸上の場合は風の強い海沿いや山上など、設置場所が限られる。
●風車が回ると騒音が発生する。
●建設する地域との調整やコストの問題もある。

風力発電は、ヨーロッパなどではすでに有力な発電方法として大きな割合を占めており、日本でも今後の導入拡大に向けて準備が進められているようです。
そういえば、古い話で恐縮ですが、テレビドラマ『北の国から』の純くんが富良野の家に手作りで風力発電機を完成させていたのを思い出しました。電力不足・電気料金高騰の昨今、太陽光発電のように個人の風力発電ができるといいですね。