エネルギーコスト増を価格転嫁へ
値上げ幅4〜8%、3月下旬〜4月改定
世界的インフレによるコスト高騰が続く中、電線メーカー大手4社(住電HSTケーブル、SFCC、矢崎エナジーシステム、フジクラ・ダイヤケーブル)が、相次いで値上げを打ち出した。4月受注分を目途に4〜8%の改定となる。背景には高騰する電力のさらなる値上げがある。産業電線各社も打診を進めており、今後は改定の頻度が焦点となる。
住電HSTケーブル、SFCC、矢崎エナジーシステム、フジクラ・ダイヤケーブル(FDC)の電線メーカー4社は、副資材や輸送費、エネルギーコストなどの高騰に伴い、価格改定を打ち出した。値上げ幅は4〜8%で、3社が4月より改定する。
値上げの対象品種を「電線・ケーブル全般」とするメーカーが多い中、住電HSTのように「IV・CV・CVVの主要3品種に加え、非汎用サイズ品やコルゲートを被覆した製品なども改定」と、具体的に挙げるケースもみられる。また、実施時期も「4月より順次」など年度替わりに集中するが、矢崎は「3月21日納入分より」としている。
各社の値戻しの主な内容は、次の通り。
住電HST=IV・CV・CVVの主要3品種非汎用サイズ品やコルゲートを被覆した製品を4月の契約分から5〜8%の幅で改定。
SFCC=4月以降、電線・ケーブル全般を対象に、4〜6%の改定。
矢崎=電線およびケーブル全般を3月21日納入分より5〜7%の改定。
FDC=各種電線・ケーブルを対象に4月より順次4〜6%の改定。
価格改定の要因として、住電HSTとSFCCはエネルギーコストと物流費の高騰を、FDCと矢崎はそれらに加え、副資材コストの上昇を挙げた。