ネアンデルタール人も梯子を使っていた!?
高い位置で作業を行うための足場となる梯子や脚立。これらがなければ、電気工事士は文字通り手も足も出ない。決して車に積み忘れてはならない道具の一つである。
通常、立て掛けて使うのが梯子、二つ折りで自立させて使うのが脚立。やはりシンプルな梯子のほうが歴史は古いようで、わが国では弥生時代からその存在が確認されているという。香川県で出土したとされる銅鐸に、猿梯子が掛けられた高床倉庫が描かれているのだ。
銅鐸に描かれた梯子
弥生時代といえば約2400年前だが、世界最古の洞窟壁画とされるスペインのラパシエガ洞窟の壁画にも、赤い梯子のような絵が描かれている。こちらは6万4000年以上前である。ネアンデルタール人は高い所に登って何をしていたのだろうか。
ネアンデルタール人が描いたとされる、はしごの絵
また、梯子を用いる仕事として日本に古くからあるのが鳶職だ。江戸時代、町火消しの役割も担った彼らの梯子乗りの離れ技は、今も消防の出初め式などで見ることができる。
ともあれ、電気工事に限らず高所作業に欠くことのできない梯子。現在は、ご存じのように2連、3連といった伸縮式が主流で、10mを超すタイプもある。メーカー各社が機能性とともに安全性を追求しているが、落下だけはしないよう、くれぐれも注意してほしい。
立ったまま伸縮でき、ワンタッチで折りたたみができる上部操作式の専用脚立「スタッピー」(株式会社ピカ コーポレイション)
安定性に優れた、アウトリガー一体式四脚伸縮式はしご兼用脚立「ダン吉」(株式会社ナカオ)