電気の豆知識 ~いつか役立つ!? 電気にまつわる雑学篇~ 「台風」

“天気”の豆知識

地球温暖化の影響か、近年は異常気象に伴う自然災害が世界各地で頻発しており、日頃の備えがますます重要となっています。
日本には梅雨という雨季があり、梅雨が明けると台風シーズンの到来です。また、昨今はいわゆるゲリラ豪雨による被害も多発しています。風水害対策はもちろん、停電など電気のトラブルにも備えましょう。そう、今回は“天気”の豆知識です。

台風は大型化している!?

日本は台風の多い国です。気象庁によると、昨年2022年に発生した台風の数は25個で、そのうち日本へ接近したのが11個、日本に上陸したのが3個です。この発生数と接近数は共に平年並みだそうですが、上陸数は0個の年もあれば10個の年もあるので、3個は少ない方なのかもしれません。しかし、近年は気候変動による台風の大型化・凶暴化が懸念されていますから、たとえ数は少なくても要注意です。

1時間に10mmの雨って多いの?

天気予報でよく耳にする「1時間に○ミリメートルの雨」という表現。ピンとこない人も多いのではないでしょうか。これは、降った雨がどこにも流れ去らずにそのままたまった場合の水の深さのこと。1時間に10mmの雨は、1時間で水深1cmの量です。10~20mm未満は「やや強い雨」、80mm以上は「猛烈な雨」と定義されています。

ヘクトパスカルって何?

「たこ!」。それは「オクトパス」です。「イタリア料理の前菜!」。それは「カルパッチョ」です。ぜんぜん違います。
台風の時期になるとニュースでよく聞く「ヘクトパスカル」とは、簡単にいうと気圧の単位のこと。「hPa」という記号で表し、中心の気圧が低い台風ほど風や雨が強い台風です。つまり数字が小さいほど強く、たとえば990hpa以上だと弱い台風、900hpa以下だと猛烈な台風です。気象庁によると、日本での最低記録は1961(昭和36)年の第二室戸台風における925hpa。暴風と高潮で大阪市内に甚大な被害をもたらしました。
ちなみに1ヘクトパスカルは、手のひら(10cm四方)にキュウリが1本(100g)乗っているときの重さだそう。

落雷の電圧は約10億ボルト!?

雲の中には数多くの氷の粒があり、その粒同士がぶつかり合うと静電気が発生して、少しずつ雲の中にたまっていきます。そうして大量にたまった静電気が一気に流れ出す現象、それが雷です。
たとえば、冬にセーターを脱ぐと“バチッ”と痛いあの静電気は3,000~10,000ボルトといわれます。家庭用電気の30~100倍という高電圧です。それでは、轟音すさまじく天から落ちてくる雷の電圧はというと、強い雷だと10億ボルトを超えるのだそう。また、その温度は瞬間的に約3万度に達するといいます。太陽の表面温度の約5倍です。雷が鳴り始めたら、できるだけ早く安全な空間に避難しましょう。

通電火災に注意しましょう

「通電火災」をご存じでしょうか。地震や台風などの災害で停電し、復旧後に再び電気が通じたとき、さまざまな原因によって起こる火災のことです。阪神淡路大震災や東日本大震災で発生した火災の多くが、この通電火災だといわれています。

〈主な原因〉

●地震などで損傷した電気の配線が再通電時に発火する。
●地震などで転倒した暖房器具等が再通電した際、周囲に燃え移る。
●浸水や雨漏りで濡れた電化製品などが再通電時にショートして発火する。
●再通電時にコンセントなどから飛び出た火花が、漏れていたガスに引火する。

〈主な対策〉

●災害時に避難するときはブレーカーを遮断する。
●災害時に避難するときは電化製品などのコンセントを抜き、ガスの元栓を閉める。
●復旧して再通電する際、電化製品や配線などを確認する。
●地震の揺れを感知して自動で電源を遮断する「感震ブレーカー」を使用する。