環境問題への対応など4テーマ 日本電線工業会 23年度重点活動

第69回定時総会を開催
石山蓮華さん「LINEスタンプにも電線」


 日本電線工業会は6日、第69回定時総会を開催し、22年度事業報告、23年度事業計画を原案通りに承認した。23年度の重点活動テーマは、①環境問題への対応、②中堅中小企業の経営基盤強化支援、③商慣習の改善、④海外情勢および技術動向の把握、とした。臨時理事会では新役員体制が発表され、会長の伊藤雅彦氏(フジクラ会長)は留任、副会長(代表理事)には森平英也氏(古河電工社長)が新たに就任し、副会長には尾﨑勝氏(伸興電線社長)、髙安晋一氏(東京電線工業社長)が再任した。


日本電線工業会は6日、第69回定時総会を東京都港区のホテル・インターコンチネンタル東京ベイで開催した。
定時総会では、22年度事業報告および決算、23年度事業計画および予算を原案通りに承認した。その後、臨時理事会で新役員体制が発表された。会長の伊藤雅彦氏(フジクラ会長)は留任、副会長(代表理事)には森平英也氏(古河電工社長)が新たに就任し、副会長には尾﨑勝氏(伸興電線社長)、髙安晋一氏(東京電線工業社長)が再任した。
また、23年度の重点活動テーマは以下の4事項とした。
①環境問題への対応=化学物質規制や環境対応要求の調査や規格標準化といった技術課題、カーボンニュートラル行動計画(30年度に温室効果ガスを対13年度比で46%削減することを目指し、さらに50%削減へ向けて挑戦する。2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする)といった政策や政府・行政機関にかかわる課題などに対応し、環境対応向上に貢献する活動を推進する。

②中堅中小企業の経営基盤強化支援=中堅企業部会を中心に、関係行政機関とも緊密な連携をとり、電線業界のブランドアップ・イメージアップを図ることを目的に、会員各社に有益なセミナーの開催などの情報提供に努める。具体的には、i有益な企業支援政策情報の入手と迅速な提供、ii会員の要望把握を目的とした会社訪問やアンケートの実施、iii会員の要望を政府の諸施策に反映させるための関係行政機関への働きかけ、iv単一企業では負荷が重い課題についての調査・検討、v新人・中堅社員教育、ダイバーシティ&インクルージョン、多様性と包摂性、人材育成、技術技能継承の支援、による支援につながる活動を行う。

③商慣習の改善=15年度末に策定した「電線業界の取引適正化のために」における、「収支相償」を含め、取引適正化説明会を開催するなど、会員および業界関係先への周知・啓発活動を継続して進める。

④海外情勢および技術動向の把握=グローバル化が確実に進展する電線業界で、輸出入の実態把握、海外日系電線メーカーの概況調査や海外の電線市場・電線産業の情報収集を行う。また経済連携協定や米中貿易摩擦により影響が懸念される安全保障管理の動きに対し、関係行政官庁と連携をとり、迅速に対応・情報発信に努める。欧州の電線業界や技術動向を把握し、欧州電線工業会との技術交流を実施する。

電線業界の人々に自信と誇りを

定時総会後の記者会見で、伊藤会長は、「会長2年目を迎え、引き続き電線業界の発展に尽くしていく。23年度は重点活動テーマを推進し、また経済産業省など関係行政機関とも緊密に連携し、会員社に有効な情報をタイムリーに提供する。電線産業の発展を通して、社会を支える重要なインフラの担い手であるという自覚と誇りを持ち、事業計画を邁進する」と述べた。
電線の日(11月18日)については、「電線の日は今年6年目を迎える。昨年、石山蓮華さんに電線アンバサダーに就任していただいた。さらに広報活動を展開し電線の認知度を高めていただき、当会も電線業界の人々が自信と誇りを持って業務にあたり、活力を持ち幸せな毎日が過ごせるように尽力する」とした。
記者会見の後、懇親パーティが開催された。伊藤会長、経済産業省製造産業局長の山下隆一氏による挨拶の後、電線アンバサダーの石山蓮華さんが登壇した。石山さんは、「電線アンバサダー就任後、多くの方々に向けて、電線の面白さや楽しさを伝えるため、さまざなな活動に取り組んでいる」と語った。また、「メインパーソナリティを務めるラジオ番組のLINEスタンプのキャラクターにも電線を持たせている」と語った。その後、石山さんと歴代の会長(伊藤雅彦会長、小林敬一前会長、井上治前会長)との撮影会が行われ、森平英也新副会長の中締めで閉幕した。

電線新聞 4321号掲載