サンテレホンが取り扱う、dinnteco(ディンテコ)社の、落雷を発生させない避雷針「dinnteco」シリーズが、雷害対策品として注目を集めている。
dinntecoシリーズは、底面にマイナス電荷を帯びた雷雲が発生すると、大地側はプラス電荷が集まり、アースと接続した製品下部もプラス電荷となる。製品上部は周囲の大気中からマイナス電荷を引き寄せ、一定量の電荷が貯まると電位差が大きくなり本体内で放電が発生し、マイナス電荷は大地へと移動する。この一連の電荷の中和によって、周囲の電界に影響を与え、保護対象物からのプラス電荷の上昇を抑え、落雷現象を防ぐ。従来は、雷を避雷針に落としていたため、巨大な電流が発生し、建物内の電子機器やネットワークに被害が及んでいた。また、地面を通して周辺への被害も生じていた。同シリーズは、保護範囲に落雷現象を発生させないことで、文化財などの建物やインフラ設備を保護し、企業のBCP対策に効果を発揮する。
フラッグシップモデル「dinnteco—100plus」は、既に世界37カ国で販売され、NATO軍設備、スペインの国家気象庁やチリの鉱山などで8千本以上の導入実績がある。国内でも、官公庁防災無線鉄塔(石川県白山市)や水力発電所(鹿児島県屋久島町)で導入されている。
従来の避雷針に取り付けることが可能で導入コストを抑えられるうえ、製品寿命は約20年、最大効果で半径約100mとなる。担当者は、「同製品の保護範囲について、設置した小瀬スポーツ公園(山梨県甲府市)で検証したところ、実際はさらに広範囲で効果があった」と語る。また08年に、公的機関の定める規格に対応していることを試験・認証する機関「ビューローベリタス」の試験をクリアし、IEC規格には適合。JISには対応した製品であり、ULやCEマーキングなどの認証を取得している。
シリーズでは他に、「dinnteco—50plus」と「dinnteco—marine」がラインナップされている。「dinnteco—50plus」は、dinnteco—100plusよりも軽量・コンパクトで、防災無線や防犯カメラなど、ピンポイントな設備に向いている。「dinnteco—marine」は、本体上部がステンレス製で塩害耐性が高く、船舶や港湾、排煙に塩分を含む化学工場などに適している。