イグス ボールベアリングに新材質 150℃までの高温耐性

 イグスは7月27日、クシロスA500製ラジアル深溝ボールベアリングの材質として2つの新材質、酸化ジルコニウム製セラミックボールとクシロデュールF500ケージ材質を追加したと発表した。

 ボールベアリングの内輪と外輪には、従来通り、実績のあるクシロデュールA500高機能ポリマーを使用し、酸化ジルコニウム製のセラミックボールを使ったラジアル深溝ボールベアリングは、卓越した強度、高い耐破壊性、低摩耗性、高い耐熱衝撃性が特長で、高温耐性・耐薬品性が要求される環境において、ステンレスボールやガラスボールに比べより強い耐性を発揮する。

 高温用ケージ材のクシロデュールF500ケージは、イグリデュールJ3ケージ材をベースに開発され、高い耐摩耗性が実証されている。同社の試験施設では、クシロスボールベアリングをさまざまな試験装置でテストしたところ、強化されたクシロデュールF500ケージは、同等のA500ボールベアリングケージよりも最大50%の長寿命化を達成した。また、F500ケージの使用により、無潤滑ボールベアリングは150℃での連続使用に長時間耐性し、多くの薬品にも耐性を発揮した。

 また、クシロスはもともと高機能ポリマー製であるため、従来のステンレス製ボールベアリングよりも最大50%軽量で、ポリマーに組み込まれた固体潤滑剤により、メンテナンスと潤滑油を必要とせず、衛生的に低摩擦の無潤滑運転を可能とする。さらに、新素材のセラミックボール、または新ケージ材質を使用したクシロスA500製ラジアル深溝ボールベアリングは、化学・半導体産業における過酷な高温環境でも確実に動作する。

電線新聞 4328号掲載