ヒロセ電機 DF40Tシリーズ開発 車載スペックに対応

ヒロセ電機は10日、車載スペック対応の基板対基板コネクタ「DF40T」シリーズに、フローティング機能付きのプラグを開発したと発表した。

同製品は、±0・3㎜のフローティング量を持ちながら、幅寸法3・68㎜の小型化を実現した。豊富なハイトバリエーションを持つ既存のレセプタクルと併せて使用することで、さまざまな基板間距離の接続に対応する。

バックカメラの搭載義務化や自動運転の進化により、車載カメラやLiDARの搭載数は増加している。これらの機器内部を接続する際に、フローティング機能のないコネクタを使用する場合、基板間の位置ずれ吸収ができないため、一枚の基板に複数のコネクタを配置できないケースや、カメラや高性能LiDARの組み立て時に光軸調整などの高精度作業が難しいという課題があった。また、自動車の外周に配置されるセンシングデバイスは車両デザインに影響するため、小型化も重要視されていた。これらの課題解決に向け、同社は小型かつ基板間の位置ずれを吸収するフローティング機能を持つ基板対基板コネクタ「DF40T」シリーズを開発した。

同シリーズは、XY軸方向±0・3㎜のフローティング量が、基板の位置ずれを吸収することで接続信頼性を高め、セットの組立効率化に寄与する。幅寸法は3・68㎜でセットの小型化に貢献する。2点接点構造と+0・25㎜の有効かん合長により接触信頼性も高く、125℃の耐熱性も兼ね備え、車載環境でも安心して使用できる。また、豊富なハイトバリエーションを持つ既存のレセプタクルと併用することで、さまざまな基板間距離に対応可能だ。

今後同社は、スタッキングハイト3・5㎜/芯数20、40芯、タッキングハイト4・0/4・5/5・0/5・5/6・0㎜/芯数20、30、40芯の開発バリエーションを計画し、コンシューマ機器や産業機器など、さらなる市場拡大を目指す。

電線新聞 4329号掲載