古河電気工業(株)、古河電池(株) 次世代型鉛蓄電池「バイポーラ型蓄電池」を共同開発 リチウムイオン電池比でトータルコスト1/2

古河電気工業(株)と古河電池(株)は、長年、実用化困難とされていた次世代型鉛蓄電池「バイポーラ型蓄電池」(第1図)を共同開発した。

●バイポーラ型蓄電池とは
バイポーラ型蓄電池は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を有するシンプルな構造が特徴。従来の鉛蓄電池と比較して材料削減が可能であり、また、体積当たりの容量の向上により重量エネルギー密度は従来の鉛蓄電池の約2倍となる。さらに、電極基板の積層化により設計自由度の高い電池構成が可能。また、同製品は、ピークシフト目的の長周期対応で、0.2CA充放電特性(「CA」とは電池の放電、充電の特性を示す単位)は電力貯蔵用リチウムイオン電池と肩を並べる。

●製品概要
概略寸法: 縦300 mm× 横300 mm×厚み250 mm(予定)
容量:50 Ah(25 ℃)
定格電圧:48 V

● リチウムイオン蓄電池との比較
同製品は、電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池との比較において、消費電力量当たりの単価は50 %以下となる。また、稼働時も空調レスで使用できるため、エアコンによる温度管理コストの削減も可能となり、トータルコストを1/2 以下に抑えることができる。さらに、発火や火災に対して高い信頼性を備え、設置スペース性でも優れている。

●今後の予定
量産実用化の目処が立ち、2021 年度中にサンプル出荷、2022 年度より製品出荷開始を予定。

オーム社「電気と工事」2020年8月号掲載