古河産業 ドローンの実証実験 輸送時間を約6分に短縮

 古河産業は10月11日、DroneWorkSystem、環境省およびトヤマ電話工事と、中部山岳国立公園立山室堂地区における無人航空機での資機材輸送工法検証を実施した。

 飛行ルートは、室堂山荘~雷鳥荘裏、室堂山荘~大日展望台、室堂山荘~雷鳥沢キャンプ場で、飛行距離は約1km、運搬重量は30、40kg。従来は人が歩いた場合、往復で30分~1時間ほど掛かっていたが、今回の実証実験で1往復約6分と短縮された。また、標高2千500m近くの環境下でも40kg近い荷物を1km先に運搬することが可能であることが証明できた。

 同社は今後の展望として、ガス検知器の運搬だけでなく、山小屋への食料品や林道整備部材の運搬への活用、自動航行の導入により、人材不足解消・安全度向上、を検討している。

 この地区では、22年7~10月の期間にかけて、地獄谷内の火山ガス自噴にかかわる安全対策として、ガス検知器などを遊歩道上に設置しており、積雪期にはこれら機器を撤去・保管している。機器を設置・撤去する際に、遊歩道上の設置に関する輸送は歩荷に頼っていたが、運搬する機器の重量や遊歩道の起伏が輸送時の課題となっていた。

電線新聞 4338号掲載