電気の豆知識 ~いつか役立つ!? 電気にまつわる雑学篇~ 「環境キーワード」

みなさん「デコ活」してますか?

エスディージーズ、カーボンニュートラル、ゼロエミッション、サステナビリティなどなど。いずれも重要な世界共通のキーワードですが、みんな英語というかカタカナで、たくさんあって正直ややこしい……というと怒られるでしょうか。すべて関連があるのでなおさらです。

そしてまた一つ、新しい言葉が誕生しました。「デコ活」です。漢字が入っていて、環境関連のワードとしては珍しく親しみやすい語感ではないでしょうか。

環境省などのウェブサイトを見ますと、デコ活とは、脱炭素という意味の英語「Decarbonization(デカーボナイゼーション)」とエコロジーの「エコ」、活動や生活を意味する「活」を組み合わせた造語で、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称だそうです。平たくいえば、二酸化炭素(CO₂)を減らす環境に良い活動のこと。2030年度の温室効果ガス削減目標および2050年カーボンニュートラルの実現に向けた全国的な取り組みの一つです。

ちなみに、この「デコ活」は環境省が一般公募し、2023年7月に8200件の応募の中から選ばれた愛称なのですが、2024年3月に同省が発表したアンケート結果によれば「聞いたことがない」「わからない」との回答が74%だったそう。浸透するには、まだ時間がかかりそうです。

環境省「デコ活」特設ページはこちら

おじさんたちが戸惑った「クールビズ」

そういえば「クールビズ」も一般公募で選ばれた名称ですが、最近はあまり耳にしなくなりました。けれど、こちらはすっかり定着した感があり、あえて言う必要もないからでしょう。ゆえに、このワードを知らないという若い人もいるのではないでしょうか。

クールビズとは、「涼しい」や「格好いい」という意味の英語「COOL(クール)」とビジネスの短縮形である「BIZ(ビズ)」を組み合わせた造語で、地球温暖化対策の一環として2005(平成17)年から政府が提唱している取り組みのこと。夏でも過度な冷房に頼らず適正な室温(目安として28℃)にして省エネ・省CO₂を図り、そのぶんノーネクタイやノージャケットといった軽装で仕事をしましょう、というか乗り切ろうというもの。

各企業で採用され始めた当初、おじさんたちは戸惑いを隠せませんでした。背広も着ないネクタイもしないワイシャツ1枚では格好がつかないというか、気恥ずかしいというか、どうにも落ち着かないのです。ワイシャツの下に着ているU首の肌着が透けて見えていたりして、周囲の人間もなんだか落ち着きませんでした。あれからおよそ20年、今ではアロハシャツやポロシャツ、スニーカーもOKのスーパークールビズも実施されています。

現在、クールビズはデコ活の一つとして位置づけられ、ビジネスシーンや服装に限らず、さまざまな工夫で暑い夏を快適に過ごすライフスタイルを提案しているようです。ただし、近年の日本の夏は“災害級”といわれるほどの暑さですから、室温を上げる際も体調などを考慮しながら無理のない範囲で行いましょう。

とにかく暑い。このままではヤバい

環境省や気象庁の資料等によれば、世界の平均気温は過去100年で約0.7℃上昇しています。そして日本の平均気温はというと、100年間で約1.1℃上昇。都市別に見ると札幌、名古屋、大阪、福岡などでは約2℃以上、東京に至っては約3℃も上がっています。こうした都市部の顕著な気温上昇は、地球温暖化だけでなくヒートアイランド現象の影響も加わっていると考えられています。

これを書いている2024(令和6)年7月29日、日本列島は高気圧に覆われて晴れ、気温が急上昇しました。栃木県佐野市では今年の全国最高気温となる41℃を観測。関東甲信と東海の6カ所でも40℃以上に達し、全国各地で35℃以上の猛暑日になりました。まだ7月だというのに。しかし、異常気象も長く続けば“正常”です。私たちは、一人ひとりがいよいよ本気で、エネルギーの上手な使い方を考えなければならないようです。