UACJは8月23日、北海道大学、岩手大学、千葉大学、京都大学、日本軽金属とともに実施する、低純度スクラップから高純度アルミニウムへの新規リサイクル手法の実用化に向けた研究開発について、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の先導プログラムに採択され、研究開発を開始すると発表した。
この研究開発は、これまで廃棄されていた低純度スクラップを、新地金相当の純度または電子材料や航空宇宙材料などに使用される高純度アルミニウムにアップグレードリサイクルするもの。
一般的に工業生産されているアルミニウムは、約1千℃で溶かして純度の高いアルミニウムを電析させる方法で精製される。今回は、150℃以下の低温下で、固体のスクラップから固体のまま高純度アルミニウムを精製する「低温型電解法」を採用した。現行の製錬技術である「ホール・エルー法」や「三層電解法」と比較して、消費電力を25%以下に削減可能で、大幅なCO₂排出量削減が期待できる。
今後の課題は量産化であり、実用化されれば、低純度スクラップを廃棄せずに再生利用できるようになる。また、廃棄物の削減やCO₂排出量削減をはじめ、輸入に依存せずに国内でアルミニウム資源が確保できる。