電気の豆知識 第2回 電気工事がよりスピーディーに〜この道具って誰が発明したの?〜

●結束バンド

(ヘラマンタイトン株式会社 ABタイ 屋内用)

「結束バンド」とは、複数のケーブルを束ね、整えるための配線材料のことです。
「インシュロック」と呼ばれることもありますが、これはヘラマンタイトン株式会社の登録商標です。また「タイラップ」といわれる結束バンドは、トーマス・アンド・ベッツ社が作ったもの。その他「ケーブルタイ」「結束タイ」「配線バンド」などと呼ばれることもありますが、すべて同じで「結束バンド」のことを指します。

結束バンドの発明によって、それまで束線紐(ひも)などで結束していた電線の結束作業時間が大幅に短縮され、作業者ごとに違っていた効率や技能の差を標準化できるようになりました。いまでは電線の結束になくてはならない存在となっています。
電気設備工事(通信工事含む)で使用される結束バンドは、電気設備学会や日本電気技術規格委員会のもとで標準規格化され、品質の統一と技術的指針が明確化されています。
日本では昭和50年代初頭から、電気工事業者の間で普及しはじめましたが、現在では電家製品や音響機器、自動車、飛行機、産業機械などの内部配線にも多数使用されています。

●ワイヤーストリッパー

(ジェフコム株式会社 ワイヤーストリッパー)

「ワイヤーストリッパー」とは被覆電線などの皮(被覆)を剥がすための工具のこと。
その多くは手持ち式で、さまざまなサイズの電線に用いることができます。また「皮むき機」などと呼ばれることもあります。
それまでは電線被覆を除去して電線をむきだしにするためには、被覆をカッターナイフで切り取ったり、ニッパーやペンチなどを使用していました。
しかし電線を傷つけたり、作業時間が長くかかったり、また安全上の問題など、さまざまな難点がありました。
この問題をいっきに解決したのが、1980年にMCC社(松阪製作所)によって開発・商品化された「VAストリッパー」でした。これにより電線の皮むき作業が1回で完了することになり、たちまち全国の工事関係者の間に普及していったのです。
その後、さまざまな改良が加えられ、現在では電気工事の必需品として全国で活躍しています。

●アンカーボルト

(ユニカ株式会社 ルーティアンカー(ステンレス)SCタイプ 芯棒打ち込み式)

「アンカーボルト」とは木材・鋼材といった構造部材、あるいは設備機器などをコンクリートに埋め込んで使用するボルトのことです。
これは柱脚と基礎、土台と基礎をつなぐ役割をします。たとえば鉄骨構造の場合、鉄骨柱と基礎は材質が違います。したがって鉄骨とRCは溶接できません。これを連結するためにアンカーボルトが必要なのです。
1960年代、東京オリンピックの工事がにぎやかだった頃、コンクリートに穴を開けてクサビを打ち込むホールインアンカーが紹介されました。しかし工費や時間がかかって、一般的ではありませんでした。昭和41年に三幸商事(現・サンコーテクノ)から画期的な製品が発売されます。「オールインアンカー」という商品名のボルトで、これによってコンクリート、ブロックのほか鋼材などの材料にも植え込みが可能となったのです。
現在では建設現場だけでなく電気工事の現場などでも、広く使用されています。

最近では電気工事業界にも女性の進出が著しく、軽くて扱いやすい工具が求められています。あるいは地球温暖化対策として環境にやさしい電気工具も求められてもいます。
それらのニーズに合わせて、今後もより便利で、より快適な電気工具が発明・発売されていくことでしょう。
電気工事業は今後も発展し続ける業界です。最先端の工業技術を、ぜひその手で体感していただきたいと思います。