【TDK】車載用静電容量性ノイズフィルタの販売を開始

EMC対策製品: 車載向け3端子貫通型フィルタの開発と量産について

  • 業界最大の静電容量(1μF)を達成
  • AEC-Q200に準拠

TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、このほど1608のサイズ(1.6mm x 0.8mm x 0.6mm)で業界最大*の静電容量である1μFの車載対応3端子貫通型フィルタ(製品名: YFF18AC0J105M)の開発に成功し、2018年1月より量産ならびに販売を開始したことを発表します。

近年、自動車の安全性の面で注目されているのがADAS(Advanced Driver Assistance System、先進運転支援システム)です。将来の自動運転に必要な技術を含め、搭載される電装機器の高機能化が進む中で、それら機器の制御技術にはパソコンやスマートフォンと同等以上の性能向上が求められます。
特に、基板に組み込まれるICの高機能化に伴い、そのノイズ対策として、より多くのデカップリング用の積層セラミックコンデンサ(MLCC)が使われる傾向にあります。また、基板の省スペース化の要求が高まり、より効果的なノイズ対策の電子部品が求められており、部品点数を少なくすることができる低ESL(等価直列インダクタンス)を特長とする3端子貫通型フィルタへの置き換えが期待されています。

今回、TDKが開発した車載向けの3端子貫通型フィルタは、車載用途に求められる信頼性要件AEC-Q200を満足しながら、1608サイズで1μFという高い静電容量を達成した新製品です。例えば1005サイズで静電容量が0.22μFのMLCCを5個並列に接続した場合のインピーダンス特性と比較すると、数十MHz以上の高周波領域では低ESLである本製品の方がより低インピーダンスが実現できます。つまり省スペース化と効果的なノイズ対策が同時に実現可能となります。

今後、更なる静電容量範囲の拡大等ラインアップの拡充を図り、多種多様な車載用機器設計へ対応していきます。

*2018年2月現在、TDK調べ

用語集

  • デカップリング : ICの電源ラインとグランド間にコンデンサを挿入して負荷が急激に変化した時に、一時的に電流を供給して、電源ラインの電圧変動を抑制する働きをする。

主な用途

  • 各種車載用電子制御ユニット(ECU)の電源ラインのデカップリング用途及び高調波、放射ノイズ対策

主な特長と利点

  • 小型サイズでありながら高い静電容量を達成
  • AEC-Q200に準拠した高信頼性
  • 部品点数の削減に寄与

主な特性

形状 外形寸(mm) 定格電圧 定格電流 静電容量
1608 (0603) 1.6 x 0.8 6.3V 2A 1μF

生産・販売計画

  • サンプル価格 : 50円
  • 生産拠点 : 秋田地区
  • 生産予定 : 50万個/月 (当初)
  • 生産開始 : 2018年1月

TDK株式会社について

TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、センサおよびセンサシステム、電源です。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。さらに、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等も提供しています。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。2017年3月期の売上は約1兆1800億円で、従業員総数は全世界で約100,000人です。

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製品の詳細情報は
https://product.tdk.com/info/ja/catalog/datasheets/3tf_automotive_general_yff-ac_ja.pdfで参照できます。


自動車用部品の高機能化に伴い、車載用機器も通信機能や自動運転といった高度運転支援システムの搭載などが多く行われるようになってきました。
自動車でも電子機器による制御が高度化するに伴いその正確性も大きな課題となってきております。
自動運転なども電気自動車では交直変換によるノイズ発生による誤動作なども考えられます。そのため、自動車搭載制御機器にもしっかりとしたノイズ対策を行う必要があります。
TDKではこうした需要に応えるべく、小型の容量性ノイズフィルタの開発、販売を開始しました。
これにより、電気自動車などのノイズによる制御機器の誤動作を防止するとともに、今まで以上に小型化されたノイズフィルタによる制御回路の小型化なども達成する狙いがあります。今までの、ノイズフィルタの置き換えによる小型化も販売の目的となっています。

公式プレスリリースはこちら: EMC対策製品: 車載向け3端子貫通型フィルタの開発と量産について