【日本電線工業会】 平成29年度 電線製造業の経営分析

集計対象81社 順調に業績を伸ばす

日本電線工業会はこのほど、平成29年度(第41回)電線製造業の経営分析をおこなった。
この調査は、電線製造業の経営活動の実態を把握し、これを基に経営指標を作成し会員企業の経営活動の参考にするとともに、必要に応じて関係当局、その他関係各機関にたいする事情説明、折衝の際の基礎資料として利用することを目的としている。
調査内容の検討・分析は経理専門委員会経理小委員会で行われた。原則として平成30年4月30日以前の半年間に決算を行った企業の当該会計年度。
対象企業は、売上高からみて、おおむね電線製造業の全容および各規模クラス別の動向を反映するに足りるとみられる企業91社を調査の対象とした。このうち、今回の集計対象社は81社。
集計対象81社の平成29年度業績をみると、売上げ高は計3兆9467億円で前年度の3兆4134億円から増収となった。損益面では経常利益は2004億円で前年度の1628億円から増益となった。また、当期利益は1668億円と前年度の1229億円に比べて増益となった。
前年度比でみると売上高は15.6%の増収、経常利益は23.1%の増益、当期利益は35.7%の増益となった。
出荷数量ベースでは、銅電線は68万7千トンと前年度比1.0%の増加、アルミ電線は2万8千トンと同0.5%の増加となった。
売上高金額ベースでは銅・アルミ線合計で1兆1872億円と前年度比3.0%の増加、そのうち内需売上高は2.4%の増加となった。
内需の部門別では、自動車は前年度比8.4%の減少となったが、電線販売業が同11.8%の増加、電子・通信機器が同16.0%の増加、その他民需が同16.0%の増加となっている。
輸出売上高は前年度比12.1%の増加となった。輸出の品種別では機器用電線が同9.7%減少したが、電力用電線・ケーブルが同70.6%増加、裸線が同43.9%増加している。

電材流通新聞2018年11月15日号掲載