平成最後の冬を前に首都圏在住の女性200人に聞いた
冬場のエアコン暖房に関する女性のお悩み実態調査
エアコン暖房の困り事第1位は「室内の空気が乾燥する」ことエアコン暖房による室内の空気の乾燥を解決する「無給水加湿」技術のご紹介
ダイキン工業株式会社では、2017年「空気で答えを出すプロジェクト」をスタートさせ、その一環として、夏の時期には屋内で起きる熱中症の問題や、暑い夜により快適な環境で良質な睡眠をとるためのエアコン活用法を提案するなど「空気の課題」を解決するさまざまな取り組みを行ってまいりました。
しかし「空気の課題」は夏だけではありません。冬は気温が低く、空気中の水分量が少なくなるため、それに伴い室内の空気も乾燥します。さらに(加湿機能を持たない)エアコン暖房を使うと、室内の乾燥は一段と進みます。このため冬場のエアコン暖房による室内の空気の乾燥は、長らく冬の「空気の課題」とされてきました。そこで平成最後の冬を前に、首都圏在住の女性200人を対象に、冬場のエアコン暖房よる室内の空気の乾燥の実態とその対策について調査を行いました。主なトピックスは以下の通りです。
これらの調査結果と合わせて、エアコンの室外機に搭載した加湿ユニットが外気中に含まれる水分を取り込むことで無給水で室内を加湿する「無給水加湿」を実現したエアコン「うるるとさらら」(1999年10月発売)の開発に商品企画担当として携わった女性社員のインタビューを紹介。冬場のエアコン暖房が抱えていた「乾燥」という「空気の課題」に取り組んだ20年前の開発の裏側を明かします。
冬場のエアコン暖房に関するお悩み実態調査
冬場にエアコンを使用して困っていること/気になることについて、「困っている/気になる」度合いの高い順に3つまで回答してもらったところ、最も「困っている/気になる」ことは「室内の空気が乾燥する」で、約6割(60.5%)の女性が第1位に挙げています(図1)。他の項目と比べても圧倒的に高くなっていることから、冬場のエアコン暖房における最大の困り事といえそうです。
冬場の室内の乾燥対策について聞いたところ、最も多かったのは「肌に保湿クリームを塗る」(62.5%)で、続いて「加湿器を使う」(53.0)、「洗濯物(やタオル)を部屋干しする」(51.0%)が続き、冬場の主たる乾燥対策となっています(図2)。年齢別で見ると50代女性は、他の年代と比べて「何もしていない」(18.0%)割合が高く、室内の空気の乾燥に無防備な状態の人も多いようです。
自分がしている冬の室内における乾燥対策に対する満足度がどれくらいかを聞いたところ、半数以上の約6割(55.8%)の女性が「満足していない」(「全く満足していない」と「あまり満足していない」の合計)と回答しました(図3)。室内の乾燥対策として何らかの策は講じているものの、有効な解決策には至っていない実態が浮かび上がってきます。
室内の乾燥対策に対する満足度が低い理由を探るために、室内における乾燥対策の課題を聞いたところ、最も多かったのは「結露することがある」(51.5%)で、続いて「湿度を維持することが難しい」(43.5%)、「面倒くさい」(39.5%)が続きます(図4)。室内の湿度を快適な状態に保つ湿度コントロールの難しさや、それに伴う手間(加湿器への給水や乾燥対策の準備等)が課題といえそうです。
今回の調査結果から、冬場のエアコン暖房時には、多くの女性が「室内の空気の乾燥」に困っており、しかもその乾燥対策には半数以上が「満足していない」ことが明らかになりました。ダイキン工業のWEBサイト「空気の困りごとラボ」(https://www.daikin.co.jp/air/knowledge/labo/)では、「乾燥の困りごとと解決法」と題して、なぜエアコン暖房を使うと乾燥するのか、室温と相対湿度の関係や加湿による解決法などについて詳しく解説しています。この機会にぜひご覧下さい。
なお「空気の困りごとラボ」では、他にも「大雪」「花粉」「梅雨」「熱中症」「熱帯夜」など、季節特有の困りごとのメカニズムや解決策を紹介しています。
次ページ以降の参考資料では、冬場のエアコン暖房が抱えていた「乾燥」という「空気の課題」に取り組み、「無給水加湿」を実現したエアコン「うるるとさらら」の開発の裏側と「無給水加湿」の始まりにについて、当時を知る社員の声をお伝えします。
参考資料(1) 「無給水加湿」を搭載したエアコン「うるるとさらら」開発の裏側
ダイキン工業株式会社
空調生産本部 商品開発グループ
村井由佳入社以来、一貫して家庭用ルームエアコンのマーケティングリサーチと商品企画、開発に携わる。無給水加湿を搭載したエアコン「うるるとさらら」の開発では部署間の垣根を超えた総力戦で取り組んだ。
Q:「うるるとさらら」の開発背景と当時の家庭用空調事業について教えてください。
現在のフラッグシップ機「うるさら7」の前身となる「うるるとさらら」の開発がスタートしたのは今から20年前(1998年)のことです。当時のダイキンは業務用空調事業では高いシェアを誇っていましたが、家庭用ルームエアコンのシェアは低く「家庭用空調事業からは撤退すべき」という声も社内外から聞こえていました。そんな状況下で、開発期間わずか10ヵ月、家庭用ルームエアコン事業の生き残りを賭けたプロジェクトは始まりました。
Q:加湿機能に着目し、取り組むことになった経緯を教えてください。
プロジェクトチームでは「すでに省エネは当たり前、ユーザーが求める真の価値は何か?」という議論をしていました。市場調査を重ねるうちに、エアコン暖房使用時に室内が乾燥することに不満を抱く方がとても多いことが分かってきました。それは家電品として加湿器(と除湿器)が市場に出始めた頃で、生活空間の「湿度」に対するニーズが顕在化したタイミングでもありました。
これまでもダイキンは空調の4要素「温度・湿度・空気清浄・気流」にこだわり、それらをコントロールすることで理想の空気・空間を作り出すことに取り組んできましたが、実は夏の「除湿」はできても冬の低湿度環境における「加湿」は着手できていませんでした。もし加湿機能を搭載できれば空調4要素の全てを満たす最高のルームエアコンが提供できる。そしてそれができるのは空調専業であるダイキン以外にない。それが現場が出した答えでした。
Q:無給水加湿を実現する技術的なアイデアはどこから生まれたのでしょうか?
無給水加湿の技術的検討を進める中でヒントになったのは、水分を吸着材に集めて除湿する「除湿器」のメカニズムです。このメカニズムを逆に使うことで、空気中の水分を集めて加湿するという加湿ユニットの基本的なアイデアが生まれました。まさに逆転の発想です。
問題は加湿ユニットをどこに設置するかでした。室内機に入れると運転音が気になりますし、そもそも大きさ的に難しい。そこで室外機に入れることになったのですが、そのためには今度は水分を室内へ搬送する方法の開発が必要でした。というのも、水分を水の状態で室内機側に送ると、途中で雑菌が繁殖するという衛生上のリスクがあるからです。そこで開発したのが水蒸気として搬送する技術です。これにより、外の空気中の水分を室外機の加湿ユニットに取り込み、そこから水分を取り出して水蒸気で室内機側に送り込み室内を加湿するというダイキン独自の無給水加湿技術が生まれました。
Q:「無給水加湿」への取り組みの中で、一番大変だったことはなんですか?
全てが大変でしたが、短い開発期間で加湿器として充分な加湿量をいかに達成するか、そのための基礎技術の確立が一番大変でした。無給水加湿は全く新しい仕組みなのでどこにもノウハウがありません。水分を集めるローターのサイズから回転数、水を取り出すヒーターの強さ、風量に至るまで、毎日試行錯誤の繰り返しでした。
Q:「うるるとさらら」というネーミングと「ぴちょんくん」誕生の経緯を教えてください。
湿度にこだわった製品の特徴を伝える「うるるとさらら」というネーミングは一人の女性社員の思いから生まれました。ネーミング会議ではもう1つ別の案が検討されていて、若手が推していた「うるるとさらら」はその斬新さもあって、「ダイキンらしくない」ということでいったん却下されてしまいます。それでもあきらめきれなかった彼女は副社長へ直訴します。その結果「女性や若手の感性に賭けてみよう」ということになり、ダイキンらしくない「うるるとさらら」といいうネーミングが採用されました。
「ぴちょんくん」は「うるるとさらら」の2000年のテレビCMで初めて登場した、製品の最大の特徴である温度と湿度の同時コントロールを一般のお客様にわかりやすく伝える水滴のキャラクターです。社内には当初、マスコットキャラクターは「ダイキンに似合わない」という意見もありました。それでもCMが放送されると、小さなお子様を持たれているお母様方からの多くのお問い合わせが寄せられ、当初は名前もなく「水玉さん」などと呼ばれていたキャラクターは「ぴちょんくん」と命名され、今ではダイキンを象徴するキャラクターとして世界中で活躍しています。
Q:今後も湿度コントロールの追求は続きますか?
空調専業メーカーとして、湿度も含めた空調4要素の全てを進化させていくことが大前提です。一方で、近年は高気密・高断熱の住宅が増え「湿度」の逃げ場がなくなり、湿度が高い夏は除湿、気温が低く空気中の水分量が少なくなる冬は加湿による湿度コントロールが今まで以上に重要なものになると考えています。ダイキンにとって湿度は引き続き追求していく重要なテーマのひとつです。
無給水加湿機能を搭載したルームエアコン
「うるるとさらら」(1999年10月発売)ダイキンの技術力を結集した革新的なルームエアコン。給水不要で外気中から水分を取り込む無給水加湿機能を搭載。この機能はダイキンルームエアコンの象徴的機能として今も継続し採用されている。
また、ルームエアコンのフロント部分にあった格子状のデザインを取り止め、他社に先駆けてすっきりとしたフラットパネルを採用したモデルでもある。
参考資料(2) 「無給水加湿」を搭載した最新機種「うるさら7」のご紹介
エアコン暖房による室内の空気の乾燥を解決するために開発された「うるるとさらら」の登場から約20年が経過した今なお、加湿機能付きエアコンに対するニーズは高いようです。暖房しながら無給水で加湿ができる機能を備えたエアコンを欲しいと思うかを聞いたところ約6割(61.5%)が「欲しい」(「とても欲しい」と「やや欲しい」の合計)と回答しました。さらに「今後検討したい」(27.0%)まで含めると、加湿機能付きエアコンに対するニーズは約9割(88.5%)に達します(図5)。
こうした状況の中、最新の「うるさら7」(2018年11月発売)は、ダイキンが培ってきた無給水加湿技術、湿度コントロール技術に、好みの温熱環境を学習するAIを組み合わせた業界初*1の「AI快適自動」運転により、年間を通じて快適な室内環境を実現します。AIで好みの温熱環境を学習する本商品のコンセプトと、それを実現する技術や形状が評価され、2018年度グッドデザイン賞*2を受賞しています。
*1
当社調べ:2018年12月4日現在
*2
公益財団法人 日本デザイン振興会 2018年度「グッドデザイン賞」受賞(住宅設備機器部門)「うるさら7」 の特徴(1)無給水加湿(うるる加湿)
室外機に搭載された加湿ユニットが屋外の空気を取り込み、水分だけを取り出してお部屋の加湿に利用。従来の加湿器のように水を補給する必要がなく、手間をかけずにお部屋を潤せます。
「うるさら7」 の特徴(2)業界初、湿度までコントロールできる「AI快適自動」運転
エアコンが思い通り快適にならない。それは、床・壁の輻射熱が原因かもしれません。輻射熱は太陽熱など風や温度の影響を受けずに直接伝わる熱(熱線)のこと。AI快適自動運転は、センシングで室内の床・壁の温度(輻射熱)を検知・推測し、エアコンが記憶した過去の運転内容(好みの運転)も参考にしながら自動運転。さらに、ダイキン独自の加湿/除湿コントロールも含めて、空間全体が肌寒さや暑さを感じにくい快適運転を行います。
調査概要(図1~5の調査結果について)
表題 冬場のエアコン暖房に関するお悩み実態調査 調査主体 ダイキン工業株式会社 調査実施 株式会社マクロミル 調査方法 アンケート調査(インターネット調査による) 調査期間 2018年11月16日(金)~11月17日(土) 調査対象 冬場のメイン暖房としてエアコンを利用している首都圏(東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県)在住女性200名 対象内訳 20歳代:50名/30歳代50名/40歳代:50名/50歳代:50名 報道機関からのお問い合わせ先
ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室
本社
〒530-8323 大阪市北区中崎西二丁目4番12号(梅田センタービル)
TEL (06)6373-4348(ダイヤルイン)東京支社
〒108-0075 東京都港区港南二丁目18番1号(JR品川イーストビル)
TEL (03)6716-0112(ダイヤルイン)ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在のものです。
予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
ダイキン工業では、「空気で答えを出すプロジェクト」を2017年よりスタートさせ、その一環として冬の暖房に関する女性を対象にしたアンケートを実施し、その内容を公開しております。
冬の暖房を使用した際の一番の困りごとは、空気の乾燥という結果が6割以上を占める結果となりました。
ビルや店舗などの暖房を設置する際に、特に女性が多く訪れるような場所であれば、暖房による乾燥対策をしっかり行う必要があると考えられます。
また、乾燥対策として、加湿器を使用しているという回答が多かったのですが、加湿器を設置すると窓の結露や湿度を一定に保つことが非常に難しいと感じている人も多いことが分かります。
空気の湿度は低すぎると乾燥肌などになることが多く。女性が多い場所では湿度を保つような暖房も検討する必要があることがアンケート結果から言う事ができます。
公式プレスリリースはこちら: 冬場のエアコン暖房に関するお悩み実態調査 エアコン暖房の困り事第1位は「室内の空気が乾燥する」こと