19FY電線需要改訂

総計70.4万㌧(0.9%増) 建販35万㌧(3.5%増)

日本電線工業会がまとめた19年度の電線需要見通し改訂によると、総計は70.4万㌧(前年度比0.9%増)で3年連続の増加となる見込み。7部門中電気機械とその他内需、輸出の3部門が前年を割り込むものの、電力、自動車、建設電販の3部門が前年を上回った。とりわけ建設電販は、東京五輪や首都圏再開発、防災・減災のためのインフラ維持更新工事向けの需要が堅調に推移し、同3.5%伸長する見込み。通信は、固定系通信の減少や光化シフトが続き前年度並みとした。
当初見込み比では、総計を70万7千㌧から3千㌧下方修正し、部門別では電力(下方修正幅2千㌧)、電気機械(同5千㌧)、その他内需(同1千㌧)、輸出(同2千㌧)の4部門が下方修正となった。上方修正は、自動車(上方修正幅2千㌧)と建設電販(同5千㌧)の2部門にとどまった。
前年度比をみると、マイナスグループは電気機械、その他内需、輸出の3部門。
電気機械は、期待した民間設備投資やエネルギー関連の需要が伸びず、同1.4%減とした。
その他内需は鉄道関連需要を18年度並みと予測し、5万1千㌧(同0.4%減)とした。
輸出は、アジア、欧州向けの再生可能エネルギー、鉄道等インフラ向けを中心に需要が旺盛なものの、案件が一段落し、また米中貿易摩擦の影響も加わり1万8千㌧(同17.8%減)を見込む。
一方、プラスグループは、電力、自動車、建設電販の3部門。
建設電販は、東京五輪関連、首都圏再開発や防災・減災、国家強靭化のための緊急対策にともなうインフラ維持更新工事向け需要が堅調に推移し、3.5%増とした。
電力は、配電系設備投資が低調だが、送電系更新需要が堅調に推移し同0.2%増。
自動車は、輸出は米国・中国向けが横ばいとなり、限定的だが国内での消費増税前の駆け込み需要が寄与し同0.8%増を見込む。
通信は、固定系通信の減少や光化シフトが続き1万㌧で同±ゼロ。

電線新聞 4177号掲載