施工現場のデジタル化で協業
大和ハウス工業と日本電気(以下、NEC)は、2020 年10 月1日、施工現場のデジタル化に向けた遠隔管理の実証実験を行った。
●背景
建設業では人手不足の深刻化とともに高齢化の進行が大きな問題となっている。また、国土交通省では作業員の4週8休を推進し、雇用確保の観点からも労働時間の削減が喫緊の課題であった。
●システムの概要
① センターの設置
実証実験では、大和ハウス工業の本社など全国10 カ所の事業所に、戸建て住宅の施工現場を遠隔管理できる「スマートコントロールセンター」(写真1)を設置し、2020 年10 月より運用を開始。対象現場数は約200カ所となる。
同センターは、複数の施工現場映像や作業員のデータを一元管理できるシステムで、施工現場に設置されたカメラやセンサーなどからデータを収集し、センターに配置するモニタを通じて遠隔管理を行う。これにより、各センターでは常時5カ所の施工現場における品質管理や安全管理などを遠隔から実施することができる。
施工現場でも、現場監督者や作業員などの関係者がタブレットやスマートフォンなどから集約された情報を共有することで、コミュニケーションなどのサポートや作業効率の向上につなげられる。
② AI技術とデジタル化
実証実験では、施工現場の映像をNECのAI技術で分析し、工事の進捗管理や作業員の安全性向上、健康管理に関するデジタル化と、その有効性の検証を行った(写真2)。