SWCC e-Ribbon増産投資へ

 SWCCは3日、生成AI技術の普及に伴い急拡大するデータセンター市場向けに、多心間欠接着リボン「e-Ribbon(イーリボン)」の増産投資を決定したと発表した。投資額は約10億円で、生産能力を約3倍に引き上げる。宮城県柴田郡の仙台事業所において、2026年度上期の完工を予定している。

 「e-Ribbon」は、ミクロン単位の正確な間隔で接着された光ファイバ心線を柔軟に束ねたリボン構造となっている。細径でありながら、多数の心線を効率的に配線することができるのが特長だ。4心、8心、12心、16心構造のラインナップとなっており、主に海外のデータセンターにおいて、データセンター間やフロア間の配線、サーバールーム内の配線に使用されている。

 生成AIの進化と利用拡大により、世界的にデータセンターの需要が急増している。限られた空間での物理層インフラの高度化に伴い、光回線数の増設などで配線密度が急激に増加している。これに対応するため、光ケーブルの細径化・省スペース化と、高効率配線が求められている。

 同社は、パートナー企業の要望に応じて製品をカスタマイズできるビジネスモデルを展開。対応の柔軟性と世界トップクラスの技術・生産性が評価され、受注が着実に増加している。今後は、データセンター市場に加え、欧米を中心としたテレコム市場でも「e-Ribbon」の需要拡大が見込まれている。

 SWCCは今回の増産投資により、2026年度の「e-Ribbon」売上高を、2024年度実績比で約28倍とする目標を掲げている。今後も、市場ニーズに応じた技術革新と生産体制の強化を通じて、持続可能な成長と社会への貢献を目指すとしている。

電線新聞 4406号掲載