電線製造機械とロボットSIerの両事業を展開するHCI(大阪府泉大津市・奧山浩司社長)では、昨年11月に那須梱包(大阪府池田市・那須善行社長)の包装センター(兵庫県西宮市)に遠隔操作ロボットシステムを導入した。なお、遠隔操作においてロボットを操作するシステムの現場導入は国内初の試みとなる。
今回のシステムは、もともとHCIと遠隔ロボットシステムのプラットフォームサービスを提供するリモートロボティクス(東京都港区・田中宏和社長)の両社が共同開発を進めていたものだ。システム納入先の那須梱包は、大手自動車メーカー向け補修・メンテナンス用交換部品の包装および梱包が主力事業である。従業員は約300人だが、自動車用小物部品は少量多品種で数万点にも及ぶことから、一部の包装作業を複数の障がい者施設へ委託している。
従来の包装作業は、作業者の手作業と半自動包装機によって部品を選別して、袋への投入および包装を行うものだった。今回のシステムでは、それを現場の協働ロボットと半自動包装機によって包装作業を行い、タブレットにインストールしたアプリを通して離れた場所から部品の選別及び包装指示を行う。
今回の自動化は、障がい者施設や在宅勤務者などといった遠隔地からの量を想定している。同社としては、セントラルファクトリーからリモートの範囲を広げてゆき、全自動のシステムを確立することで、作業時間も昼間のみから一日中稼働する体制づくりを目指すという。またHCIとしても、「この遠隔操作ロボットシステムを普及させていくことで、障がい者雇用推進の一助となることを願う」と話している。
今はWi-Fiの使用環境だが、5Gなど通信システムの機能拡張によっては、将来的には一台のタブレットから複数のロボットへの指示も可能となる。それが、リモートという形であれば、業務エリアは海外までも拡張することも理論的には可能だ。さらに、ロボットに任せられる仕事を随時任せていくことで、従業員はさらに付加価値のある仕事へ取り組むことができる。
那須社長によれば「今はタブレットからの包装指示を行っているが、作業の完全自動化を目指すのが当面の目的。現在はまだ作業スピードや部品のピックアップにおける環境設定など改善点があるので、少しずつ調整を図りつつシステムの完成度を上げてゆく。システムが完成すれば、事業領域の拡張など、また新しい道も見えてくるだろう」という。なお、那須梱包の初期投資は約2000万円。現在は、システムを稼働させつつ、5月末の本格稼働を目指すべくシステム調整を重ねている。









