日新電機 EB-XW販売開始 30%のコンパクト化を実現

日新電機は22日、グループ会社のNHVコーポレーションが電子線照射装置「EB—XW」を開発・販売すると発表した。NHVコーポレーション(NHVC)は、電子線照射装置(EPS)の開発から販売、電子線照射サービスの受託を行っている。同製品は、従来製品と比較して、コンパクト化・メンテナンス性向上・コストダウンを実現した。
EPSは、高速の電子線を利用して物質の改質・品質向上、滅菌などを行う。タイヤの軽量化による燃費向上や、食品包装フィルムの高性能化による食品ロス軽減など、幅広い分野で利用され環境配慮に向けた製品づくりに貢献している。同製品は、装置の中核である加速管・電源タンクを一体化することにより、従来型より30%のコンパクト化を実現した。また、加速管・電源タンクをスライドして引き出せるため、開放空間での加速管部のメンテナンス作業が可能だ。さらに、照射室は可動式であるため、広いスペースで材料搬送部およびEPSのメンテナンスができ、結果、メンテナンス時の安全性も確保している。環境への配慮としては、遮へい主材料の鉛の使用を従来製品より約97%減を大幅に低減し、この改良により同時にコストダウンも実現した。また、将来的に鉛ゼロを目指すとしている。
NHVCのEPSは、60年以上にわたり世界35カ国以上のさまざまな分野の顧客に導入され信頼性の高い装置だ。新製品のEB—XWは、狭所での設置や高さの制限、メンテナンス作業の効率化・安全性など、顧客の要望に応えるため開発された。

電線新聞 4319号掲載