国交省、中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会基本問題小委員会では、昨年7月に提言された「建設産業政策 2017+10」のうち、制度的な対応が必要な事項の具体化に向けて、実務に精通した関係者を交え行われた検討の結果を、これまで5回の審議を踏まえ、中間とりまとめが策定され、公表した(写真1)。
写真1 「中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会基本問題小委員会
中間とりまとめ~「2017+10」の施策を実現し、担い手確保の取組を強化する~」
●中間とりまとめの概要
「中間とりまとめ」の概要は、以 下 の と お り 。
1.長時間労働の是正
(1)受発注者双方による適正な工期設定の推進
(2)施工時期等の平準化の推進
2.処遇改善
(1)技能・経験にふさわしい処遇(給与)の実現
(2)社会保険加入対策の一層の強化
3.生産性向上
(1)限られた人材の効率的な活用の促進
(2)仕事の効率化や手戻りの防止
(3)建設工事への工場製品の一層の活用に向けた環境整備
(4)重層下請構造の改善に向けた環境整備
4.地域建設業の持続性確保
(1)災害時やインフラ老朽化等に的確に対応できる入札制度の構築
(2)建設業許可制度の見直しによる建設業の持続性確保
●長時間労働の是正
このうち、長時間労働の是正は最初に取り上げられているように、力を入れている。
「受発注者双方による適正な工期設定の推進」では、
① 適正な工期設定に関する考え方(基準)の明確化
② 受注者による工期ダンピングの禁止
③ 不当に短い工期による請負契約の禁止と違反した場合の注文者への勧告制度
を挙げる。
また、「施工時期等の平準化の推進」では、施工時期等の平準化を公共工事の入札および契約において、公共発注者が取り組むべき事項として明確化することなどを挙げている。