売上・粗利はやや上向き
景況感持ち直し傾向鈍化
東京管工機材商業協同組合はこのほど、4月の「管工機材商景況動向」を発表した。それによると、前月プラス15.8㌽に浮上した景況感は、「好況」回答が横ばいで「悪い」回答が上昇した結果、「好況」から「悪い」を差し引いた数値はプラス10.5㌽に下降した。売上高の「増加」回答は集計6品目中上向き2品目・横ばい3品目・下降1品目で平均ではわずかに上昇、「減少」回答は下降した。全体の「増加」回答から「減少」回答を差し引いた数値はプラス8.3㌽だった(2カ月ぶり「増加」超)。粗利益額の「増加」回答は「ポンプ」のみ下降し5品目が上昇したことにより合計値は5.6㌽上昇したものの、「減少」回答も3.9㌽上昇した結果、こちらは2カ月連続の「減少」超だった(マイナス4.1㌽。前月マイナス5.8㌽、前々月プラス12.6㌽)。4月は売上高・粗利はやや上向いて見えるが、景況感のプラス値が縮小しており、持ち直し傾向は鈍化した。
4月調査結果の概要は次の通り。カッコ内は前月実績。
【全般的景況】
▽全体的に好況…15.8%(0.0%)
▽部分的に好況…26.3%(42.1%)
▽全般的に普通…26.3%(31.6%)
▽部分的に悪い…21.1%(15.8%)
▽全体的に悪い…10.5%(10.5%)
前月ゼロだった「全体的に好況」が15.8%まで富士用したが、「部分的に好況」がその分下降し「好況」としては横ばいだった。「全般的に普通」が前月の31.6%から26.3%に下降し、その値がそのまま「部分的に悪い」の上昇分に転じてが前月の15.8%から21.1%となり、「全体的に悪い」が前月の10.5%のまま横ばいだった結果、「悪い」は5.3㌽上昇した。これにより「好況」(42.1%)から「悪い」(31.6%)を差し引いた数値はプラス10.5㌽で、2カ月連続でプラスだったものの、その幅は縮小しており、景況感の持ち直し傾向はやや鈍化したように見える。
【資金繰り】
▽好転…5.3%(0.0%)
▽変わらず…94.7%(100.0%)
▽悪化…0.0%(0.0%)
「好転」回答がふたたびプラスの値を示し、「悪化」回答のゼロが続いた。
【売上高】
「増加」は29.6%、「減少」は21.3%で差し引きプラス8.3㌽(前月マイナス0.3㌽)で、2カ月ぶりに「増加」超だった。前月比で「増加」は1.9㌽上昇し、「減少」が6.7㌽下降した(「変わらず」は4.8㌽上昇)。内訳をみると、「増加」回答は2品目が上昇し(幅は「住設商品」5.6㌽、「空調機器」21.5㌽)「ポンプ」が6.3㌽下降し、ほか3品目が横ばいだった。「減少」回答は「化成品・塩ビ」と「空調機器」が横ばいだったほか4品目が下降した(幅5.6㌽~12.55㌽)。「増加」回答から「減少」回答を引いた値は4品目がプラス(「空調機器」6.2㌽~「水栓衛陶」22.2㌽)、2品目がマイナスだった(「化成品・塩ビ」5.6㌽、「ポンプ」6.3㌽)。
【粗利益額】
「増加」回答(合計25.8%)は「ポンプ」のみ6.3㌽下降し、ほか5品目が上昇し(幅「水栓衛陶」5.5㌽~「空調機器」12.5㌽)、合計では前月比5.6㌽上昇した。「減少」回答(合計29.9%)は3品目が上昇し(幅「水栓衛陶」5.6㌽、「空調機器」6.2㌽、「化成品・塩ビ」11.1㌽)ほか3品目が横ばいで、全体では3.9㌽上昇した。「変わらず」は44.3%で9.5㌽下降した。「増加」から「減少」を差し引いた数値は2カ月「減少」超ながら前月のマイナス5.8㌽からマイナス4.1㌽に縮小し、品目別では「管継手バルブ」が11.1㌽、「水栓衛陶」が5.5㌽のプラスで、ほか4品目がマイナスだった(「空調機器」マイナス6.2㌽~「化成品・塩ビ」16.6㌽)。
4月は3月に対し、「増加」回答から「減少」回答を差し引いた数値が売上高では2カ月ぶり「増加」超、粗利は2カ月連続「減少」超を示した。各品目の「増加」回答の動きをみると、売上高・粗利とも上昇した品目は「住設商品」「空調機器」、「管継手バルブ」「化成品・塩ビ」「水栓衛陶」は売上高が横ばいで粗利が上昇、「ポンプ」のみ売上高・粗利とも下降した。
【販売価格】
「上昇」回答は、「化成品・塩ビ」(前月5.6%)と「ポンプ」(同6.3%)がそれぞれゼロに下降し、ほか4品目がゼロのまま横ばいだった。「下落」回答は「水栓衛陶」「空調機器」が下降し(幅各5.6㌽、6.2㌽)、「管継手バルブ」がゼロから11.1㌽上昇したほか3品目が横ばいで、全体では8.6%(0.1㌽下降)。「上昇」から「下落」を差し引いた数値は前月のマイナス6.7㌽からマイナス8.6㌽に沈んだ(2カ月連続の「下落」超)。
引続きすべての品種で「変わらず」が多くを占め(「管継手バルブ」「水栓衛陶」「住設商品」各88.9%、「空調機器」「ポンプ」各93.8%、「化成品・塩ビ」94.4%)、全体の数値は前月比2.1㌽上昇91.5%だった。
【在庫額】
「増加」が2.0%(前月比8.6㌽下降)、「減少」は16.4%(8.7㌽上昇)、「変わらず」81.7%(0.1㌽上昇)であった。品種別動向でも在庫額は「変わらず」回答が最も高い比率を維持している。「変わらず」回答は「管継手バルブ」「水栓衛陶」「住設商品」が上昇(幅5.6㌽~11.1㌽)、「化成品・塩ビ」「空調機器」が横ばい、「ポンプ」が6.2ポイント下降)。「増加」回答は「住設商品」「空調機器」が横ばい、ほか4品目が下降(幅「管継手バルブ」5.6㌽~「水栓衛陶」22.0㌽)、「減少」回答は「空調機器」のみ横ばい、「住設商品」「ポンプ」が下降(幅各5.5㌽、18.8㌽)、ほか3品目が上昇した(幅「化成品・塩ビ」「水栓衛陶」各11.1㌽、「管継手バルブ」16.7㌽)。